研究課題/領域番号 |
21K01850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 京都精華大学 |
研究代表者 |
山本 哲司 京都精華大学, 人文学部, 研究員 (80340496)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 伝統仏教 / 寺院解散 / 廃寺 / 地域社会 / 生活文化 / ライフヒストリー / 語り / 浄土真宗 / 開教 / 文化継承 / 都市開教 / 講 / 生活史 / 継承と再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、伝統仏教寺院の廃寺の経験をめぐって、伝統仏教や祭祀が支えてきた社会関係や価値がいかに継承されあるいは変質したのか、人々のライフヒストリーの分析を通じて考察するものである。 本研究の関心は、寺院関係者たちの廃寺のその後の社会関係と宗教生活の変容にある。対象は、日本最大の伝統仏教の宗派、浄土真宗本願寺派に属す山陰・富山・奈良教区の廃寺寺院の住職とその家族、門信徒とする。 本研究では、廃寺のその後の状況を巡り、関係者のライフヒストリーの詳細なインタビューを行う。本研究のねらいは、寺院関係者が経験された生活の変容のなかに、伝統的な宗教文化の消滅と生成を位置づけ、その意義を問うことにある。
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研究成果の概要 |
伝統仏教寺院の解散の過程には、3つの局面がある。信仰の継承や寺院運営など「護持」の困難、人的関係の整理・建屋や土地の物理的な処理、解散後の関係者たちの動向である。 本研究では解散寺院関係者への聞き取りから、3局面に対し以下の課題を得た。寺院の本末関係の問題、周辺地域住民の宗教意識、解散時に影響する差別意識、寺院間の共同組織の課題である。各課題の状況は地域により大きく異なる。これまでに島根から千葉への都市開教に関わる三寺院の事例、長野の解散事例を報告したが、残念ながら調査活動全体の最終報告までに至っていない。引き続き各事例を報告し、祭祀の現状とその社会的意義を考察する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代日本社会における伝統仏教寺院の研究は、過疎地域の困難な寺院護持を巡る問題や、社会的資本として寺院の価値を再発見し、再活性化を志向する議論に集中していた。それらの議論は、現行の寺院の護持運営に資する重要な議論だが、地域の過疎化や人々の寺院離れの状況から年々減少しつつある伝統仏教寺院が活動を停止し解散し、さらなる局面に向かう状況を見据えた研究は極めて少ない。本研究の社会的意義は、解散寺院や不活動寺院の関係者の聞き取りから、寺院解散の経験が社会的文化的にどのような課題を抱えるものであるかを描き出すことにある。その描写の上で解散後の状況にどのような宗教的な希求が見出せるのか考察を行う。
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