研究課題/領域番号 |
21K01851
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京経済大学 (2022-2023) 桃山学院大学 (2021) |
研究代表者 |
大尾 侑子 東京経済大学, コミュニケーション学部, 准教授 (50816569)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | メディア史 / 歴史社会学 / 悪書追放運動 / 白ポスト / 有害環境浄化活動 / 有害図書 / 悪書 / 有害環境浄化 / 白ポスト運動 |
研究開始時の研究の概要 |
今日、メディア技術の著しい進展にともない技術導入の是非や、その「有害」性に警鐘を鳴らす論調が目立つ。全国各地では今なお戦後から続く「有害図書類」を巡る規制や回収運動が行われており、その実態把握と「有害」メディアを可視化する研究が求められる。そこで本研究は、戦後の「悪書追放運動」がいかに姿を変えながら継続されてきたのかを比較メディア史的に分析し、通史的体系化を行うことで、1945年から現在に至るメディア文化の「有害」性にかんする社会認識や人々の活動の変遷を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、戦後の「悪書追放運動」がいかに姿を変えながら継続されてきたのかを比較メディア史的に分析し、通史的体系化を行うことで、1945年から現在に至るメディア文化の「有害」性にかんする社会認識や人々の活動の変遷を解明することを目的とした。2023年は兵庫県で有害環境浄化活動のフィールドワークを継続的におこない、姫路市、宝塚市、西宮市で白ポスト回収担当者へのインタビュー調査などを実施した(これらの質的調査結果は2024年4月に発行された『近代出版研究』3号に掲載した)。以上の調査によって、白ポスト発祥の地である尼崎市以外の地域における白ポスト運用状況が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来看過されがちであった「白ポスト」というメディア装置を対象として、戦後の悪書追放運動がどのように展開したのかを、歴史的な視点を中心に明らかにしたことにある。研究の結果判明したことは、母親らによる民間運動として展開したとされる白ポスト運動が、悪書追放運動を背景として、警察や行政も関わる政治的な運動としての側面を持っていたことである。また各地域でのインタビュー調査や参与観察によって、現在はインターネットを介した有害情報への接触が青少年の健全育成における喫緊の課題とみなされており、白ポストの老朽化や運用にかかる予算の都合から撤去が進んでいることが明らかとなった。
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