研究課題/領域番号 |
21K01860
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 京都大学 (2023) 岡山大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
片岡 仁美 京都大学, 医学研究科, 教授 (20420490)
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研究分担者 |
藤井 智香子 (磯部智香子) 岡山大学, 大学病院, 講師 (00534744)
渡邉 真由 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20794332)
三橋 利晴 岡山大学, 大学病院, 助教 (30716890)
時信 亜希子 岡山大学, 大学病院, 助教 (10758212)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ダイバーシティ&インクルージョン / 働き方改革 / 性別役割分業意識 / 男女共同参画 / ワークエンゲージメント / 女性医師 / キャリア / 地域医療 / キャリア支援 |
研究開始時の研究の概要 |
働き方改革が進められる中、医師については2024年から労働時間の上限規制が適用されるが、医療提供体制の維持と医師の健康との両立は喫緊の課題である。労働時間短縮に向けて提示された緊急的な取り組みの一つとして女性医師等に対する支援が挙げられたが、具体的にどのような支援が有効か、という検証はなされていない。岡山大学病院では13年前から大学病院及び医師不足地域において女性医師の柔軟な働き方の支援を行ってきた。本研究では女性医師支援が医療現場に及ぼす影響を働き方改革の観点、構成員の意識変容、住民への影響の観点から分析し、働き方改革に寄与する望ましい女性医師支援について提言する。
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研究実績の概要 |
岡山大学病院では女性医師支援プロジェクトとして、大学病院の他に医師不足地域(新見地区)において事業展開を行っている。最終年度は、新見地区における約9年間の女性医師支援プロジェクトが地域医療に果たした役割を検証するために、地域医療に関する住民意識調査を行った。 新見地区の1病院の外来を受診した成人患者100人を対象に無記名アンケート調査を行った。主な結果を示す。新見地区プロジェクトがこれまで行ってきた医療従事者への研修や地域住民と医療従事者の交流については、必要性や信頼性、安心感を評価する回答がほとんどであった一方、医療従事者との交流にハードルを感じたり時間の確保が難しいと考える回答もみられた。女性医師が地域で働くことについて、医療者をより身近に感じるようになる、医療に対する信頼性が増す、との回答はそれぞれ8割以上に達した。住んでいる地域の医師の過重労働について、約3割の回答者で過重労働の認識があった。医師のワークライフバランスについてはほぼ全員が必要であると回答した。医師の負担軽減のために心がけていることとして「時間外受診をしない・減らす努力」「かかりつけ医を決める」など何かしら心がけている人は約9割に達した。10年前と比較して改善した点として、受診やアクセス面での改善点のほか、希望する診療科、専門医、女性医師に診てもらえるようになった点が挙げられた。一方、緊急時や困ったときにいつでも診てもらいたいという改善点を希望する回答が多かった。本調査では女性医師支援が住民視点による地域医療の充実に寄与していることが明らかになった。 本研究課題では、女性医師支援が職場の意識と働き方、地域医療に及ぼす影響について調査・解析を行い、女性医師支援が職場の意識や共感性のポジティブな変化、働き方改革の推進、地域医療の充実に寄与することを示した。
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