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社会人の大学再教育促進に大学無償化は必要か:スイス・北欧三か国・豪州の比較

研究課題

研究課題/領域番号 21K01891
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関中京大学

研究代表者

大岡 頼光  中京大学, 現代社会学部, 教授 (80329656)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード所得連動返還型奨学金 / リカレント教育 / 年齢制限 / 給付奨学金 / 社会人学生 / 中高年 / マタイ効果 / 傾斜付き普遍主義 / 的を絞った補助金 / パートタイム学生 / 高齢者就労 / 学び直し / リスキリング / 社会人入学 / 成人再入学高校 / 退職年金保障 / 遺産 / 社会人の大学での再教育
研究開始時の研究の概要

超高齢社会を支えていくには,社会人の大学での再教育が必要だが,日本は社会人入学が少ない。社会人の大学入学を増やせた国は,公費で大学を無償化した国が多い。「大学への社会人入学を促すには,公費で大学を無償化する必要があるか」という視点から,スイス・北欧三か国・豪州で調査する。これらを比較分析し、日本が大学への社会人入学者を増やすには,どのような「公費での大学無償化」を目ざすべきかを明らかにする。

研究実績の概要

雑誌論文で、中高年の再教育を促せる所得連動返還型奨学金(ICL)を研究した結果、3点が分かった。
①ニュージーランド(NZ)ではICLでの年齢制限より、「需要主導型の財政支援」の停止と共に行われた、高齢等の学生対象の低レベルのコース等への助成の中止が重要だった。「需要主導の財政支援」は、まず大学に対して受け入れ可能な学生数を配分・決定した上で大学への財政支援枠の上限を設定するのではなく、学生の大学進学の要望(需要)に応じて財政支援枠が変動・決定される制度である。②豪州では、「需要主導型の財政支援」が単独で、中高年の再教育を促すかどうかは不明だと見られている。③NZは2010年には40歳以上の在学率で豪州を少し上回っていたが、2020年には40~64歳の在学率で豪州がNZを抜いて首位になった。その理由は、NZが高齢等の学生を対象とした低レベルのコース等への助成を徹底して中止したことが大きく影響を与えたことが分かった。一方、生活費のためのICLへの年齢制限の導入は、影響を与えた可能性もあるが、他の要因からの影響も排除できないことが分かった。
以上を踏まえると、中高年の再教育を促すためのICL研究のポイントは下記の3つである。
①生活費も対象とするかの検討。豪州では2016年から生活費がICLの対象になった。資力調査をして給付する、返還不要の給付奨学金を廃止し、返す必要があるICLに変更した。その際、資力調査の制限を緩め、より多くの学生のICL利用を促したのかを調査する。②年齢制限は避けるべき。ニュージーランド(NZ)の年齢制限が中高年の再教育を妨げた可能性もある。ICLで年齢制限がある国と、ない国の比較を更に行なう。③高齢等の学生が対象の低レベルのコース等への助成を行うべきかを考える必要がある。NZのように徹底して助成を削る方針を、日本でも採用すべきか否かを検討すべきだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナのために、2021年度に計画していた海外の現地調査に出かけることができなかった。そのため、新型コロナ前に立てた当初の計画の3年間(2021~2023年度)だけでは、研究計画を実施することができなくなった。そこで、3年間の研究計画の最終年度(2023年度)に1年間(2024年度)の研究計画の延長を申請し、承認された。
幸いにも、2023年度後半から1年間、研究休暇にあたる制度を利用できることになった。この研究休暇を活用して集中的に2023年度後半に海外の現地調査を実施し、遅れを挽回しつつある。

今後の研究の推進方策

今後の研究では、海外の現地調査を含めて順調に進めることが出来る予定である。前述の研究休暇の後半の2024年度前半にも海外での現地調査を実施していく。また、海外と比較して日本の特徴を明らかにするため、必要な国内での現地調査も実施していきたい。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] ニュージーランドの所得連動返還型奨学金の年齢制限と「大学への需要主導の財政支援」:豪州との比較2023

    • 著者名/発表者名
      大岡 頼光
    • 雑誌名

      中京大学現代社会学部紀要

      巻: 17 ページ: 1-40

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] リカレント教育を促す所得連動返還型奨学金を求めて:イングランドの失敗と豪州の比較から2023

    • 著者名/発表者名
      大岡頼光
    • 雑誌名

      中京大学大学院社会学研究科社会学論集

      巻: 22 ページ: 1-50

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 所得連動返還型奨学金は中高年社会人大学生を増やせるか:豪州の経験から考える2022

    • 著者名/発表者名
      大岡頼光
    • 雑誌名

      中京大学大学院社会学研究科社会学論集

      巻: 21 ページ: 1-34

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 中京大学 研究者総覧 大岡 頼光

    • URL

      https://kenkyu-db.chukyo-u.ac.jp/profile/ja.e0bd51ee19e8763f.html?mode=pc

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
  • [備考] researchmap 大岡 頼光

    • URL

      https://researchmap.jp/read0054843

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 中京大学 研究者総覧 大岡 頼光

    • URL

      https://kenkyu-db.chukyo-u.ac.jp/profile/ja.e0bd51ee19e8763f.html?mode=pc#%E8%91%97%E6%9B%B8%E3%83%BB%E7%99%BA%E8%A1%A8%E8%AB%96%E6%96%87%E7%AD%89_%E8%AB%96%E6%96%87

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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