研究課題/領域番号 |
21K01906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
陸 麗君 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (70803378)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 華僑華人 / 外国人 / トランスナショナル起業 / ホスト社会 / 外国人の集住 / 在留外国人 / 社会的影響 / 華僑・華人 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、華人・華僑の起業に焦点を当て、少子高齢化の日本社会における在留外国人のトランスナショナル起業を都市社会学、エスニック研究の視点からその特徴とメカニズムを明らかにし、また在留外国人の起業がもたらした社会影響を、彼ら自身の社会移動と日本の地域社会の両側面から解明する。 それに加え、ウィズコロナで在日外国人のトランスナショナル起業をとりまく情勢の変化という緊急課題も含み課題究明に取り組む。さらに本研究は、欧米中心のトランスナショナル起業研究に対して日本・東アジアからの発信に向けた議論への経験的な基盤を用意ものでもある。
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研究実績の概要 |
本年度当初の計画では、主に研究結果のまとめと発表を中心に研究を進めるものであったが、コロナ禍の影響で調査研究の実施がやや遅れていたため、今年度は調査研究と研究結果のまとめを同時に進行し、主に以下の3点を中心に研究に取り組んできた。 1)引き続き華人・華僑起業家へのインタビュー調査を行ってきた。今年度はこれまで聞き取り調査した華人・華僑起業家の追跡調査を行いつつ、調査対象者を増やし、彼ら・彼女らがホスト社会とのかかわりを中心に調査研究してきた。また起業が彼らの社会移動に与える影響について、来日前後のライフヒストリーを中心に解明してきた。 2)華人・華僑を送り出す「僑郷」での調査研究。来日した華人・華僑の主要出身地の一つである福建省福清市は、古くから外国へ出稼ぎに行く慣習があり、多くの華人・華僑を送り出す「僑郷」と言われてきた地域である。「僑郷」での調査研究はコロナ禍で実施が困難であったが、今年度に入りようやく実現できた。中国での現地調査では厦門大学、華僑大学及び華東理工大学の研究者らと交流した。その上で、厦門と福清で華僑の歴史、華僑が故郷の発展に与えた影響、この地域の華僑が外国へ行ってからの状況、外国から中国に帰国し、福清で起業している状況などを地元政府関係部署、華人・華僑及び彼ら・彼女らの家族たちに対する調査を通して把握した。 3)中国国内で外国人起業家に対するインタビュー調査。具体的には上海で貿易会社を起業して十数年の日本人起業家、日本から近年帰国した華人・華僑が設立したハイテック会社2社(福建省と浙江省1社ずつ)の設立者へのインタビュー調査を行った。 4)研究成果の発表。日本国内の学会及び国際学会で研究成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過年度に実施すべきだった研究調査がコロナ禍で実施できず、ようやく今年度に実施できた。このため、当初今年度実施すべき研究の一部がまだ終えていない。一方、当初実施困難だと考えられた中国国内の調査研究が概ね実施できた。 また華人・華僑企業への質問紙調査が関係者との調整が予想より困難であり、今年度の実施が間に合わなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は華僑華人起業家の聞き取り調査を引き続き行う。それと同時に、華人・華僑企業へのアンケート調査は、関係者の協力を得ながら、規模と範囲を工夫し、実施する予定である。 さらにこれまでの調査内容をまとめ、研究成果の発表に力を注ぎたい。
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