研究課題/領域番号 |
21K01920
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小川 慎一 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (30334618)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 職業紹介事業 / 有料民営職業紹介事業者 / 産業構造 / ポスト工業化 / 産業・労働社会学 / 有料民営職業紹介事業 / 高度ホワイトカラー / 経営管理者 / 科学技術者 / 資本の自由化 / 日本型雇用システム / 組織構造 / 業務プロセス / 求人開拓 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本型雇用システムにおける、有料民営職業紹介事業の組織構造と業務プロセスを検討することを目的とする。1990年代末に有料民営職業紹介事業が規制緩和され、同事業の事業所数とともに、求職経路として同事業を利用する労働者が増加している。長期雇用慣行のなかにあって、有料民営職業紹介事業がどう事業を拡大していったのか、また、労働力移動を促しつつも、どう労働者の定着を図ってきたのかを、同事業者に関する資料や聞き取りに基づいて検討する。 具体的には、どう企業からの求人を開拓してきたのか、どう求職者を募ってきたのかを検討する。そのうえで、どう求人開拓と求職者の獲得を連携させてきたのかを、検討する。
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研究実績の概要 |
2022年度の当初計画では、有料民営職業紹介事業者の5事業者や、利用企業5社に聞き取り調査を実施することを予定していた。新型コロナウイルス感染症の流行が終息しないことを踏まえ、当初計画を変更し、1990年代から2000年代における民営職業紹介事業の規制緩和やその後の動向に関する、資料の整理をおこなった。 資料は当時の民営職業紹介事業に係る政策や業界団体の諸動向に関わった方から、借りたものである。慎重な取扱に努めつつ、大量の情報を含む各資料について、目録の作成をおこなっている。 本研究テーマに関連して、2022年度において、産業構造の歴史的変化について検討をおこない、有料民営職業紹介事業の変化との対応関係を予備的に考察した。戦時期の急激な重工業化の後、高度経済成長期に機械産業の拡大を中心とした産業構造の転換が起きた。高度経済成長期にはオートメーションが導入され、技能のあり方に変容が見られた。1970~80年代には、ポスト工業化が進むとともに、技術革新がより広い産業や働き方へ影響を与えた。1990~2010 年代は、情報技術の発展やケア産業の拡大が顕著であった。 また、本研究を社会学における古典的研究の系譜に位置づける予備的作業のため、海外研究者による産業・労働社会学における、代表的研究のレビューをおこない、現代的意義を考察した。すなわち、古典的研究は、情報技術の進展や非正規雇用者の増加、雇用システムの多様性、ワークライフバランスを分析するうえでの、知的基盤となることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」の項目で説明したように、新型コロナウイルス感染症が終息しなかったため、2022年度は借り受けた資料の目録を作成した。当初計画で予定していた、有料民営職業紹介事業者の5事業者や、利用企業5社への聞き取り調査を実施していないため、「現在までの進捗状況」は「(3)やや遅れている。(Slightly Delayed)」と判断した。 なお、資料目録作成は少しずつ進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画を大幅に変更し、資料目録作成に着手しているため、その完了ならびに資料の分析を最優先に研究を推進する予定である。 資料の分析によって、過去の政策や業界団体の動向を研究課題とするとともに、有料民営職業紹介事業者や利用企業、求職者の行動についての理解を深め、現状分析を円滑に進める基盤としたい。
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