研究課題/領域番号 |
21K01922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田邊 浩 金沢大学, 人間科学系, 教授 (50293329)
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研究分担者 |
寺沢 なお子 金沢大学, 人間科学系, 教授 (00227513)
眞鍋 知子 金沢大学, 人間科学系, 教授 (70320025)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 食 / 料理 / 料理人 / クラフトマンシップ / フード・スタディーズ / 職人 / 労働 / 労働社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,料理人に関する社会学的研究である.食文化を支える専門家であり,クラフトマンともいえる料理人に焦点を当て,そのクラフトマンシップの獲得と継承,料理人の世界の様相を明らかにすることを目的とする.料理人は,以前は徒弟的修行で技能を身につけることが通常であったが,現在では調理師学校で料理の知識を学び,徒弟的修行を経ない人も増えている.これらが料理人の世界をどのように変えたのか.また,食は健康にも直接的に影響するものだけに,栄養学・食品科学的知識が浸透しつつあるが,それらが料理人によってどのように消化されているか,料理の徒弟的修行と学校的学習ではどのような差異がみられるかを明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究は,料理人の「技」に関する研究であり,料理人,料理人の同業組合および料理人の養成施設を対象として調査票調査とインタビュー調査を実施することが研究の根幹をなしている.しかし,飲食業界が対象であることもあり,コロナ禍の影響を大きく受け,計画通りには調査を進めることができなかった. それでも,2023年になってから状況が改善されたこともあり,春休みも利用して,料理人及び料理人の同業組合(フランス料理,中華料理),さらに調理師養成施設協会に対して,インタビュー調査を行うことができた.また,調査の実施までには至らずとも,調査の協力は取り付けており,次年度に直ちに調査を実施する予定である. 料理人の同業組合への調査から,コロナ禍もあり,飲食業界の置かれている厳しい状況を把握することができた.また,後継者不足が深刻な状況にあることも確認することができた.同業組合からの紹介等で,ホテルの料理長にもインタビューをすることができたが,そこでも料理人の確保と養成に大きな課題を抱えていることを知ることができた.また,料理人の世界のあり方が,2000年代以降に大きく変容していることが伺えた. 調理師学校を対象とする調査に関しては,質問項目づくりを進めて,あらかた調査票はできつつある.調理師養成施設協会から得られた情報を加味して,調査票を完成させ,次年度に直ちに調査を実施する方向で進めたい. 研究グループにおいては,定期的に研究会を開催して,調査研究の準備を進め,インタビュー調査によって得られたデータの分析結果の検討を行なっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,量的調査,質的調査を柱としているものであるが,調査対象が飲食業界であり,コロナ禍の影響が続いており,調査を進めることに困難を抱えていた.そのために,計画通りに研究を進めることができなかった.しかし,2023年に入ってから,個別の料理人及び料理人の同業組合等にインタビューを集中して進めることができたので,ある程度遅れを取り戻すことができた.予定していた調査票調査を実施することができておらず,それが計画通りに進んでいない部分となる.
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今後の研究の推進方策 |
予定通り進んでいないのは調理師養成施設への調査票調査であるが,調理師養成施設協会にインタビュー調査を行い,その際に調査票調査への協力を依頼したところ,協力いただけることを快諾いただいたので,調査票調査をスムーズに進め,ある程度の回収率を得られる見込みが立っている. 調査の実施には至らなかったが,調査の質問項目づくりは進め,調査票はある程度仕上がっているため,調査の環境が整い次第,タイミングを見て,すぐに調査を実施できる体制にある. 研究成果の公表は,全体的に予定がずれ込むことになるが,次年度はインタビュー調査の分析結果を中心に,学会報告,論文作成を行い,以降も研究成果を早めに取りまとめるようにつとめる.
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