研究課題/領域番号 |
21K01928
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
石原 俊 明治学院大学, 社会学部, 教授 (00419251)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 島嶼 / 疎開 / 離散 / 小笠原 / 沖縄 / 奄美 / 歴史社会学 / 占領 / 帰還 / 共同性 / 大東 / 強制疎開 / 南方離島 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、大東諸島、奄美諸島、伊豆諸島、小笠原諸島(硫黄列島を含む)など、アジア太平洋戦争末期に強制疎開(強い疎開推奨を含む)を経験し、敗戦後も故郷に戻らなかった/戻ることができなかった、日本のいわゆる南方離島(沖縄本島とその周辺離島を除く)の人びとが、異郷でどのような共同性を培い、いかに生き抜いていったのかについて、比較歴史社会学的研究を進めるための基礎的な情報整備を実施する(なお、先行研究の蓄積が厚い先島諸島については、本研究では補助的調査のみにとどまる可能性が高い)。
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研究実績の概要 |
本年度はコロナによる各種制限が解除されたため、調査研究を本格的に展開することができた。これに伴い、研究成果も数多く公表できた。 編集委員を務めた『シリーズ 戦争と社会』全5巻(岩波書店)を完結させ、論文「島嶼戦と住民政策―日本帝国の総力戦と疎開・動員・援護の展開」(『思想』2022年5月号、特集:戦争社会学の可能性)、「忘れられた『南方』の戦時と戦後―帝国解体がもたらした悲劇」(『中央公論』22年9月号、特集:大東亜共栄圏の残影)、「『戦後の終わり』にどう向き合うか」(『学術の動向』22年12月号、特集:いま「戦争」を考える―社会学・社会福祉学の視座から)、「硫黄島民1世・奥山登喜子さんのライフヒストリー―戦前の生活から、強制疎開と別離を経て、現在まで」(『明治学院大学社会学・社会福祉学研究』161号)などを公刊した。『思想』『学術の動向』の特集ではオーガナイザーを務めた。 22年11月には、シンポジウム「帰れない遺骨 帰れない島民―硫黄島の過去・現在・未来を考える」をオーガナイズした。遺骨収集史の専門家、遺骨収集の担い手、硫黄島戦没者遺族、故郷に帰れない硫黄島民2・3世が、登壇者として一同に会する初の場となった。 また、『聖教新聞』22年9月20日に「変容する『戦争と社会』―シリーズの完結に寄せて 見直されるべき「戦後」意識」を寄稿した。『朝日新聞』22年8月3日夕刊にインタビュー「戦争への感度 鈍っていた日本―歴史めぐる論文集5巻が完結 編集委員・石原俊さんに聞く」が、『読売新聞』22年8月14日朝刊にインタビュー「「侵攻」の後で:ウクライナと戦後77年 <4>―硫黄島 忘れられた島民:歴史社会学者・石原俊さん」が掲載された。フジテレビ『世界の何だコレ!?ミステリー』「取材日数10日間! 謎に包まれた秘境 小笠原諸島」(22年6月22日放送)では監修・コメンテーターを務めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究を開始した2021年度から本年度初頭にかけて、コロナによる調査研究活動への多大な制約があったにもかかわらず、上記「研究実績の概要」に記した多くのアウトプットを達成したことから、当初想定した以上の成果をあげることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も調査活動はかなり進展したものの、アウトプットのほうにやや多くの労力を割く結果となったため、次年度は当初計画のうち未達成の調査に注力するつもりである。
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