研究課題/領域番号 |
21K01930
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
笠原 良太 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (20846357)
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研究分担者 |
嶋崎 尚子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40216049)
水島 久光 東海大学, 文化社会学部, 教授 (30366075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 石炭産業 / 地域社会 / ライフコース / 故郷喪失 / アーカイブズ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高度成長期における石炭産業の構造転換を事例に、産業衰退後の地域における子どもたちの生活史を記述・継承することを目的とする。閉山時に学齢期にあった子どもだけでなく、すでに炭鉱を離れていた成人子を含めた追跡調査を行い、炭鉱での生活、閉山後の移動と定着、故郷に対する思いなどを把握する。そこで明らかになった生活史を、当時の地域・学校に関する一次資料と結びつけて記録し、包括的なアーカイブズを構築する。本研究は、産業転換と家族・子どものライフコース研究、産業・地域に関するアーカイブ研究の系譜に位置づく社会学的研究である。
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研究実績の概要 |
本年度の主な研究実績は、以下のとおりである。第一に、三菱大夕張炭砿への移動者を含む樺太引揚者の北海道内炭鉱への移動について、企業の各種政策に着目して整理し、リサーチペーパーとしてまとめた(「樺太引揚者の炭鉱への移動プロセス」)。第二に、石炭産業のスクラップ・アンド・ビルド期(1950年代後半から60年代)の夕張・空知地域ならびに釧路地域における若年労働力の移出と家族の移動について、学会報告としてまとめた(「高度成長期における産業衰退と若年労働力の移出」)。第三に、夕張地域映像アーカイブの成果について、夕張市民公開講座(鹿之谷ゼミナール、ゆうばりアーカイブ)にて報告した。 また、本年度は、昨年度まで新型コロナウィルス感染症パンデミックの影響で延期していた東京大夕張会ならびに札幌大夕張会を対象としたインタビュー調査・質問紙調査を実施した。インタビュー調査は、東京大夕張会会員5名、札幌大夕張会会員6名を対象に、座談会形式でおこなった。また、元中学校教員や夕張市内在住者への個別インタビューも実施した。調査項目は、炭山コミュニティでの生活、学校、進学・就職などである。トランスクリプト化を終え、現在、座談会の記録(リサーチペーパー)を作成中である。質問紙調査は、東京大夕張会幹事協力のもと、249名の会員に配布し、有効回答104票、有効回収率43.9%(宛先不明等12票を除く)となった。本調査では、炭山コミュニティの春夏秋冬、印象深い出来事・場所・人、閉山・離山後の大夕張との関わりなどをうかがっており、現在、入力作業を進めている。 加えて、夕張市教育資料アーカイブズ構築のため、同市教育委員会から委託された資料整理・デジタル化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のとおり、昨年度まで実施を延期していた同郷会を通じたインタビュー調査ならびに質問紙調査を実施できたため、おおむね予定通りの進捗状況に戻すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、三菱大夕張炭砿閉山50周年であり、東京大夕張会総会が4年ぶりに実施される予定である。11月の総会にむけて、上記質問紙調査の成果をまとめる。また、夏季休業期間を中心に、協力者へのインタビュー調査を実施する予定である。
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