研究課題/領域番号 |
21K01931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
林 真人 金城学院大学, 国際情報学部, 教授 (30601900)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 労働 / レギュレーション / ハーヴェイ / ルフェーブル / 資本主義 / 管理 / ローカル / 都市 / 社会運動 / フィールドワーク / 理論構築 / 生産 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は現代資本主義の生産・労働の管理技術が、日本の産業集積地において誕生し、「進化」を遂げ、労使関係を管理する世界的なモデルとなったことを、企業と労働者の関係の分析、制度・政治的背景への着目、理論的な構築を通じて明らかにする。ポスト・フィーディズム期の資本主義はフレキシビリティの増大を目指すが、この際に生産・労働の管理様式の進化が重要な役割を果たす。これは英語圏の論者によって繰り返し言及され、日本に一つの技術的源泉があるとされてきた。この議論を踏まえ、本研究は日本の産業集積地から、資本主義生産の世界的テクノロジーについての「一般科学」が生まれたことを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度の聞き取り調査・経験的調査は次のとおりである。愛知県内の労働組合の参加者の方々に対して2回の聞き取りを実施した。また名古屋市内の団体の皆様の資料を収集し、この資料を用いて、この団体が国際的なネットワークを形成する役割について経験的な検討を行った。 当該年度は、調査に加えて、すでに国際的に名高い英語雑誌 Antipode(IF 4.246)に投稿していた、本科研費プロジェクトの最初の研究成果である愛知県内の労働をめぐる論文について、2度の大幅な改稿と再提出を行い、最終的に論文受理へと持っていったことも特筆に値する。本論文については、4名の査読者から様々なコメントをもらいながら、研究方法などを洗練化させることが必要だったが、この大きな作業を成功させることができた。 さらに当該年度は、本科研費プロジェクトが解明を進める資本主義のテクノロジーについての研究の一貫として進めている、王立地理学会のブックシリーズからRescaling Urban Povertyというタイトルで刊行予定の英語著書(出版社はWiley)について、王立地理学会の編集部から最終的な刊行への承諾を得たという大きな成果をあげた。これは原稿の大きな改稿が必要だったが、査読者や編集部からのコメントに対応しながら作業を完了させることができた。 また当該年度においては、本科研費プロジェクトのさらなる英語論文のアウトプットの構想を進めたのであり、全体的な理論枠組と国際比較についての執筆を、全体のほぼ50%まで進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国際的に評価の高い英語雑誌Antipodeから、本プロジェクトの根幹にかかわる極めて重要な論文(タイトル: Any labour geographies in urban theory? Workers meet Lefebvre and Harvey (yet again) )を出版するという、極めて大きな成果を上げた。また本プロジェクトの一貫として進めてきた英語著書についても、原稿の大幅な改稿を進め、英国王立地理学会の編集部から刊行への最終的な承諾を得ることができた。さらには、今後の英語論文についても、その根幹部分について執筆を大幅に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
すでに収集した聞き取り調査や、労働に関連する活動を行う運動参加者の方々から頂戴した資料について分析を進め、また理論的な枠組の精査を行うことで、本プロジェクトにとって2本目となる英語論文の執筆を進める。 また本プロジェクトの進展について学会等での報告を行い、研究者コミュニティに本プロジェクトの重要性がいっそう認知されるように努める。
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