研究課題/領域番号 |
21K01933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 四日市大学 |
研究代表者 |
三田 泰雅 四日市大学, 総合政策学部, 教授 (30582431)
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研究分担者 |
神長 唯 都留文科大学, 教養学部, 教授 (60533966)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 未婚化 / ネットワーク / ジェンダー / 産業都市 / 結婚 / 地方都市 / 家族形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は地方の産業都市における家族形成のメカニズムを、選択的ネットワークの役割に注目して明らかにしようとするものである。少子化の主因とされる未婚化は、その要因を産業構造の変化を背景とする雇用不安に求められることが多いが、名古屋市周辺にひろがる産業集積地域では雇用状況が比較的安定しているにもかかわらず未婚化が進んでおり、産業構造の変化とは異なる文脈での説明が必要とされる。そこで本研究は配偶者選択にいたる出会いの経路に注目し、友人ネットワークが結婚に与える影響を明らかにすることで、雇用不安に還元できない未婚化のメカニズムに迫ろうとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究は産業都市における未婚化をテーマとしており、国内有数の産業都市である三重県四日市市を対象地域に選定して研究を進めてきた。2022年度まで公的統計の分析やヒアリング調査などを行ってきており、2023年度には質問紙調査を実施し報告書を作成する予定となっていた。 調査対象地である四日市市は、戦後に大規模な開発とそれにともなう公害を経験した歴史をもつ。現在も工業出荷額は国内でも十指に入る規模を維持しており、典型的な産業都市としての性格を持っている。未婚化の要因にはポスト産業社会における雇用の不安定化があげられることが多いが、この地域では製造業を中心に堅調な雇用が維持されており、ポスト産業化の雇用面での影響は限定的であることから、本研究の目的に照らして適地であると考えられた。 研究代表者と分担者が共に会員となっている東海社会学会では、公害裁判の決着から50年の節目を迎えたことを機に、2023年度に四日市市をテーマとしたシンポジウムを開催した。このとき研究代表者と研究分担者はそれぞれ登壇して研究成果の一部を還元した。このシンポジウムを含め、本研究の成果と課題を確認し共有するため、オンラインの研究会を5月、6月、7月に一度ずつ開催した。 また、四日市市の地域特性を質的側面から明らかにするため、2023年6月には環境経済学者の宮本憲一氏にヒアリングを実施し、産業都市としての性格が一貫している傾向を確認した。 なお2023年度には質問紙調査の実施を予定していたが、研究代表者の本務校において、三重県内にある別の市を対象地域として人口減少や未婚化をテーマとする調査研究を行うこととなったため、比較のため本研究課題の調査も2024年に実施する方向へ修正した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度には前年に引き続きヒアリング調査を実施したほか、学会等における報告を行い、成果の一部を公表した。当初は2023年度に質問紙調査を実施し、報告書を作成して成果の公表を行う予定であった。しかし前述のように、研究代表者の本務校において、同じく未婚化をテーマとした調査プロジェクトが三重県内の別の市を対象地域として実施されることとなったことを受け、地域間比較の視点を盛り込むために調査を1年後ろ倒しし、2024年度に実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は夏に質問紙調査を行い、研究会を開催してその成果を検討するとともに、報告書を作成して成果の還元につとめる。 質問紙調査は5~6月にかけて実施する予定である。サンプリングには選挙人名簿を用いることとし、四日市市の選挙管理委員会事務局の確認を経たうえで、家族形成がもっとも活発な25~39歳の市民2,000名を抽出する。 調査方法は郵送調査を予定しているため、紙での調査票を用意する。このほかweb回答も可能なようにし、Push to Web(P2W)の調査を併用する。このようにして回答者がどちらかの回答方法を選んで答えられるようにしておく。 質問紙調査の実施後は、すみやかにデータ入力を行い、エディティングやデータクリーニングなどの作業を行ってデータを分析可能な形に整えたうえで、データを完成させて分析に入る。分析にあたっては、研究メンバー間の認識のすり合わせや研究進捗の共有をはかるため、年間に3回程度の研究会を開催する。 さらに国内の学会において、成果の一部を発表する。
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