• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

高齢者ケアにかかる家族意識の趨勢に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01938
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関大阪公立大学 (2022-2023)
大阪府立大学 (2021)

研究代表者

乾 順子  大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 准教授 (00716897)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード老親 / 成人子 / 同居 / 扶養 / 介護 / 家族意識 / 同居意識 / 扶養意識 / 介護意識 / 老親と成人子 / 老親と成人子関係
研究開始時の研究の概要

本研究は、、NFRJ98,03,08,18データとNFRJ16Rデータを用いて、老親に対する同居、扶養、介護の意識の趨勢とそれらと関連する変数を明らかにすることにより、家族変動を家族意識の側面から検討し、家族変動に関する理論の発展に貢献するものである。さらには急速に進む日本の少子高齢化の潮流の中で高齢者の生活がどうなるのか、私的介護か社会的介護か、性別分業はどうなるのかを検討し、計量的に明らかに研究である。

研究実績の概要

今年度は、大きく2つのことを行った。1つは前年度の実績であった老親との同居意識の変化と規定要因の論文を英文化し、これを章の1つとする英文の電子書籍の出版を行った。さらに、もう一つは、老親扶養と介護に関する論文の執筆を行った。
男女ともにNFRJ03時点では、介護意識の平均値が扶養意識のそれよりも高く、有意差があったが、どちらの意識も徐々に低下し、NFRJ18時点では、扶養意識のほうが高くなっている。男性では有意差はないが、女性は有意に介護意識のほうが低くなっていた。つまり、両意識はともに否定する方向に変化しているが、2004年から2019年の変化のスピードは介護意識のほうがやや早かった。
男性については、扶養・介護のどちらの意識も調査時点の効果が大きく、負の効果があるが、NFRJ03(2004年)時点と比較して相対的に時代によって変化が大きいのは介護意識のほうである。さまざまな変数でコントロールした上でも、介護意識の変化のスピードが速かった。年齢については、60歳代と比較して70歳代の男性はどちらの意識も肯定的であり、介護意識は30歳代以下と40歳代も肯定的である。コーホート効果はあまり見られないが、扶養意識は団塊世代に比べて高度経済成長期の出生コーホートが肯定的であり、介護意識は戦前、戦中世代がやや肯定的であった。
女性については、男性と同様、どちらの意識も調査時点の効果が大きく、負の効果があるが、NFRJ03(2004年)時点と比較して時代によって変化が大きいのは介護意識である。年齢の効果は女性では見られなかった。出生コーホートは、団塊世代を基準として、1956年以降出生コーホートにおいて扶養意識も介護意識も肯定的であり、中でも団塊ジュニア世代が最も肯定的であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた海外学会での報告は、体調の問題から実現できなかったが、論文の英語での出版や新たな論文を執筆することができた。

今後の研究の推進方策

現在、最終年度に向けて最後の大きな課題である介護の社会化意識に関する分析を進めている。
従属変数は母・義母を介護するのは誰と思うかに対する回答「施設等にまかせると思う」か否かである。独立変数は、年齢、学歴、世帯収入、都市規模、従業上の地位、配偶状況、兄弟姉妹の有無、住居の状況、介護の必要性、現在の介護の有無、介護経験、老親に対する家族意識であり、男女別に2項ロジスティック回帰分析を行った。分析の結果、同居・扶養・介護に係る家族意識は、施設介護等を選ぶかどうか(=介護の社会化)と関連があり、介護を実際しているかどうかの経験も影響を与えていた。女性の義母の施設介護についての回答は、夫の姉妹の有無と関連していた。
これらの分析を精緻化し、学会発表、論文執筆を行っていきたい。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 介護保険制度導入後の老親扶養・介護意識の変化 ―時代・年齢・コーホート・ジェンダーによる差異―2024

    • 著者名/発表者名
      乾 順子
    • 雑誌名

      女性学研究

      巻: 31 ページ: 1-22

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 老親との同居意識の変化と規定要因2021

    • 著者名/発表者名
      乾順子
    • 雑誌名

      第4回全国家族調査 (NFRJ18)第2次報告書第2巻西村純子・田中慶子(編)『親子関係・世代間関係』』

      巻: 2 ページ: 76-195

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 老親扶養・介護意識の変容―NFRJ データによる分析―2023

    • 著者名/発表者名
      乾順子
    • 学会等名
      第74回数理社会学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 同居・扶養・介護についての意識はどう変わってきたのか2021

    • 著者名/発表者名
      乾順子
    • 学会等名
      第25期女性学講演会「計量分析から読み解くジェンダーと家族」
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] SDGs for Well-being (English Edition)2023

    • 著者名/発表者名
      Junko Inui
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      アットマーククリエイト
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 人生が輝くSDGs2022

    • 著者名/発表者名
      大阪公立大学現代システム科学域 教育福祉学類編集委員会(代表伊井直比呂)
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      せせらぎ出版
    • ISBN
      4884162854
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi