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ICFに基づく利用者のwell-being測定による福祉施設アウトカム評価の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01982
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関立教大学

研究代表者

重田 史絵  立教大学, コミュニティ福祉学部, 助教 (30801542)

研究分担者 高橋 秀人  帝京平成大学, 薬学部, 教授 (80261808)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードアウトカム評価 / 福祉サービス評価 / 個別支援計画 / ICF(国際生活機能分類) / WHODAS2.0 / well-being / 障害福祉 / 支援効果 / 福祉施設 / ICF / 福祉施設評価
研究開始時の研究の概要

広く公的な社会資源として効果的な支援が求められる福祉施設は、その適切な評価方法が求められている。
本研究は、福祉の本質である利用者のwell-beingを高めている福祉施設を適切に評価する為に、「支援」の介入とその「効果」(アウトカム)の因果関係に着目し、疫学的手法による調査研究を行う。「支援」は「個別支援計画書」よりデータ収集し、「効果」は「福祉(well-being)は機能で評価・測定する」というアマルティア・センの理論より、ICFの概念に基づく評価指標を開発して測定する。
利用者のwell-beingの測定により、効果的な支援提供施設を適切に評価し、利用者本位の福祉施設評価を研究する。

研究実績の概要

本研究は、福祉サービス施設・事業所で提供した支援が、利用者にとって効果的であったか、支援と効果(アウトカム)の因果関係を客観的に評価するフレームの構築を目的としている。利用者への支援結果を測定するには、福祉の意を示すwell-beingについて、利用者の状態を測定することが適切であると考える。このwell-beingの測定は、福祉は「機能」で評価すると論じたアマルティア・センの理論に基づき、ICF(国際生活機能分類)の領域項目に紐づく評価尺度であるWHODAS2.0(WHO Disability Assessment Schedule)を用いることとした。
3年目までに障害福祉や高齢福祉サービス事業所で利用者のWHODAS2.0を測定し、一部事業所では利用者への支援を振り返りWHODAS2.0の領域別の評価結果と突合して支援の検討を行った。この検討をふまえて各利用者の支援で力を入れるべき領域を明らかにし、重点領域への支援方法を示す個別支援計画書の作成へと連動させていくことが、利用者が求める支援効果を目標とするより良い支援のケアマネジメントサイクルにつながることとなる。しかし、実際にはWHODAS2.0の結果をふまえた支援計画を適切に作成していく過程が職員にとって難しいことが判明した。
そこで3年目の令和5年度は、これをサポートする「個別支援計画検討システム」の開発に取り掛かった。これにより、利用者が支援効果として求めていた機能の向上を確認したうえで次期の支援を検討することが可能になる。4年目前半ではシステム開発の継続と福祉現場でのテスト試用を行い、希望する事業所が活用できるようWeb上での公開を行う。
研究成果となるシステムツールは、サービス利用者に効果のある支援がなされたかを視覚化し、利用者へのサービスの質向上につながる福祉サービス支援体制の構築に寄与するツールになると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、当初コロナ禍で調査対象のデータ収集がスムーズに行われない状況であった。しかし、調査を開始して追跡調査を行っていく中で、研究ベースでの調査は調査票の理解や結果の理解についても福祉現場の実態にそぐわないものであり、臨床に役立つ研究にならないことが判明した。そこから臨床に応用できる研究にするために、まず福祉現場職員の支援をサポートするシステム開発を行うこととした。これにより、研究目的の達成への進捗も早まり、福祉現場での臨床への活用や継続研究も予定どおり進むと予測している。

今後の研究の推進方策

引き続きシステムツールの開発を進め、年度当初より福祉現場において試行版の活用に取り組む。研究者自身も実際の利用者のWHODAS2.0評価や個別支援計画の検討の過程に立ち会うことにより、システムツールの修正および改善を図る。
さらに、Webページへシステムツールを公開することにより活用事業所を増やし、事業所での継続したケアマネジメントサイクルへの活用と定着をめざす。その結果として、協力いただける事業所について支援効果(アウトカム)の測定および分析研究を推進していく。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] プログラム評価理論へのアプローチに基づく福祉施設・事業所評価の枠組みの検討 : 東京都の福祉サービス第三者評価制度の視点から2023

    • 著者名/発表者名
      重田史絵
    • 雑誌名

      立教大学コミュニティ福祉研究所紀要

      巻: 第11号 ページ: 17-33

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 精神障害者を主とする就労継続支援B型事業所における利用者状態と支援時間の関係性についての実態把握2023

    • 著者名/発表者名
      重田史絵 ・ 吉田光爾 ・ 髙橋秀人
    • 雑誌名

      社会福祉学評論

      巻: ー

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 福祉施設の評価項目におけるアウトカム評価に関する考察 : ドナベディアンモデルを用いた先行研究レビューより2021

    • 著者名/発表者名
      重田 史絵、高橋 秀人
    • 雑誌名

      立教大学コミュニティ福祉研究所紀要

      巻: 9 ページ: 37-49

    • DOI

      10.14992/00021173

    • NAID

      120007177960

    • URL

      http://id.nii.ac.jp/1062/00021173/

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] WHODAS 2.0 12項目バージョンを使用した障害関連イベントのスコアリング2024

    • 著者名/発表者名
      高橋秀人,大夛賀政昭,重田史絵
    • 学会等名
      第34回日本疫学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「障害の有無」および「主観的健康意識の有無」に関するWHODAS2.0による最適閾値の推定2023

    • 著者名/発表者名
      高橋秀人,大夛賀政昭,重田史絵
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第71回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 在宅要介護高齢者の家族介護者における社会的ケア関連QOLの特徴-家族介護者版ASCOT(the Adult Social Care Outcomes Toolkit)を用いて-2023

    • 著者名/発表者名
      大夛賀政昭,柿沼倫弘,森山葉子,森川美絵,重田史絵
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第71回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] WHODAS2.0に基づく障害,主観的非健康意識に関する最適閾値の推定2023

    • 著者名/発表者名
      高橋秀人・大夛賀政昭・山口佳小里・重田史絵
    • 学会等名
      第33回日本疫学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 社会的ケア関連QOLの介護サービスの質評価への適用可能性の検討 -1法人でのASCOT日本語版を用いた調査データをもとに-2022

    • 著者名/発表者名
      大夛賀政昭・柿沼倫弘・森川美絵・森山葉子・重田史絵
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第70回秋季大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 障害福祉分野におけるICF項目を用いたサービス評価の検討 -3層D-Plusモデル評価マトリクスの枠組みから-2021

    • 著者名/発表者名
      重田 史絵、高橋 秀人
    • 学会等名
      日本社会福祉学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 福祉事業評価に関わる3層D-Plus評価マトリクスの提案2021

    • 著者名/発表者名
      高橋 秀人、重田 史絵
    • 学会等名
      日本社会福祉学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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