研究課題/領域番号 |
21K01991
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 華頂短期大学 |
研究代表者 |
高岡 理恵 華頂短期大学, 幼児教育学科, 教授 (30442263)
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研究分担者 |
吉島 紀江 池坊短期大学, 幼児保育学科, 准教授(移行) (30461990)
流石 智子 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (40132287)
木村 あい 神戸女子大学, 健康福祉学部, 准教授 (70412111)
松尾 章子 華頂短期大学, 総合文化学科, 教授 (70413325)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 複数ケア / 母子家庭 / つながり / ソーシャルキャピタル / 介護 |
研究開始時の研究の概要 |
母子家庭の介護実態調査から、子どもが小さい間に親の介護が必要となると「結束型キャピタル」が弱体化する,母子会に加入している人の多くは、橋渡し型キャピタルの条件のひとつである社会活動に参加している人が多かった。ソーシャル・キャピタルとは、人々や組織の間に生まれる協調的な行動を意味しており「結束型」「橋渡し型」という分類ができる。今までの母子家庭調査の多くは、個人情報保護の観点から対象者を把握することが難しく、母子会会員を対象としたものが多く、日本の母子世帯を包摂しているとはいいがたい。母子会に所属しない母子家庭への調査を行いソーシャルキャピタルを張り巡らせるための要因を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は聞き取り調査を中心に行った。前回、全母子協に加入している母子を対象とした調査であったため、今回は全母子協に加入していない母子に調査を行う予定であった。しかし、個人情報保護の観点よりなかなか対象を探すことに困難があった。ひとつは京都府に協力依頼をし、京都府から京都府管轄の市町村に対し調査依頼を行った。その結果、3町が参加の意思を示してくださり3町の母子家庭へアンケート調査及び聞き取り調査を行った。もう一つは、京都市内の母子生活支援施設に依頼し、紹介していただき調査を行った。 次に、「つながり」を形成するために必要な要素を抽出するために、前回調査を行った中でうまく繋がりができていた人を対象として再調査を行った。さらに、都市部から沖縄へ転出し、そこで繋がりを作りながら生活している人を事例対象とし、その人のつながり方を理解するために、関係者への聞き取り、その土地の「他者の受け入れ」を理解するために役所や社会福祉協議会、母子会等で聞き取り調査を行った。 調査から、母子家庭が介護を行うとき、親族の繋がりの一部である「夫」の存在がない。親族が近くにいる場合には親族が介護を一緒に担ってもらえる環境であるが、親族が極端に少ない、もしくは遠方にいる、もしくは親族と不仲な環境では母子家庭の母親一人で子どものケアと両親の介護を行っている。親族と繋がりが薄い事例では、「友人」の助けがあり、友人も少ない場合には「行政」「施設」というフォーマルな支援がホローしているケースが多く存在した。 来年度は、最終年度となるため、現在調査結果を論文執筆するとともに、報告書作成しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全母子協に加入していない母子家庭を限定するために苦戦している。前回、科研結果で明らかになった「母子家庭で介護を行っている人の多くはデイサービスを利用している」ということから、デイサービスを利用している人にアンケートを行い、そこから母子家庭を抽出する方法をとった。京都市全体で行う予定であったが、プレテストである地域限定でアンケートを行った結果100人中4名ほどしか対象者(母子家庭)がいなかったため、その方法を断念したことである。京都府に調査依頼を行い、京都府管轄の市町村に依頼書を出し、協力依頼をしてもらったが、結果3町しか手を挙げてもらうところがなかったところも原因である。しかし、京都市の母子生活支援施設に協力を依頼し、20数名ではあるが、聞き取り調査を行うことができ、丁寧に事例を見ることができている。また、沖縄調査で訪れた役所で同様の依頼を行った。可能であれば最終年度にそこで調査の可能性が残っている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となるため、まずは報告書を作成する予定である。 1部は、プレテストの結果からデイサービスを中心にした対象者の選定を取りやめたこと、そこから見えた考察を書く。次に、調査依頼を行った母子生活支援施設、3町、沖縄、再調査での聞き取りを「聞き取りガイドライン」をもとに結果をまとめていく。繋がりを可視化できるようソーシャルコンボイを使用し考察する予定である。第2部では沖縄那覇や北谷の地域や介護状況と母子家庭への聞き取り調査をまとめる。第3部では繋がり方の上手な人の1事例をもとに、その人に関する関係者への聞き取りをまとめる予定である。 さらに、ソーシャルコンボイを使用して「複数ケアを行っている母子家庭のつながり方」について論文執筆準備に入っている。 結果、考察が出そろったところで、複数ケアを行っている母子家庭のつながり方の要素について研究成果として明らかにしたいと考えている。
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