研究課題/領域番号 |
21K01996
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
黒田 文 東北福祉大学, 総合福祉学部社会福祉学科, 教授 (60368412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | エンパワメント / 当事者の知 / 専門知 / 協働 / 当事者運動 / 知とパワー / ピアサポート / ソーシャルワーカー / 構造的ソーシャルワーク / 知・パワー / 開かれた専門性 / 省察的実践 / ピアサポート活動 / 生きられた経験 / 知-権力 / グループ / エンパワメントグループ / エンパワリングシステム / 当事者 / 経験知 / 集団経験 / 共同創造 / ソーシャルワーク / グループワーク / 反抑圧実践 |
研究開始時の研究の概要 |
日本のソーシャルワークではエンパワメント実践の過程や評価を論じた研究は乏しく、進展が待たれる。本研究は、概念や哲学ではなく実践としてのエンパワメントについて具体的に分析を行い、得られた知見を蓄積する。 国外のエンパワメント事例を収集するとともに、国内でエンパワメント・パースペクティブにもとづく活動を行うグループを対象に、観察、質問紙調査、面接調査を行う。エンパワメントを意識したグループの効果、効果を発揮する過程、活動のための工夫等を言語体系化する。 上記からエンパワメントを促進する要因を明らかにし、社会的抑圧を経験している当事者の生きづらさを軽減するエンパワメント実践の基盤構築へ寄与する。
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研究成果の概要 |
当初はサービス利用当事者の活動をフィールドにしたエンパワメントグループについて構想された本研究であったが、コロナ禍が長期化したことにより研究枠組みを再考した。その過程では、当事者と制度的援助専門職者との関係性に対する観察を通じて浮かび上がった「知とエンパワメント」というより広範な現象を研究の対象に据えて研究を再開した。制度的援助専門職者が、当事者を「消費モデル」におけるパートナーにとどめおかないために、当事者の知の潮流に照らして「民主モデル」を理解すること、および、制度的援助職者の「専門知」を開かれたものにしていくことが、当事者の知のエンパワメントに必要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
知に付随するパワーという観点からエンパワメント実践を考察した本研究の結果により、当事者による「当事者の知」と制度援助専門職者による「専門知」の関係性への理解がすすむことがあげられる。エンパワメント実践に対する研究は方法論やプロセスに関するモノは多く存在するが、知と権力の観点から論じたものは非常に少ない。「当事者の知」と「専門知」の性質をふまえた枠組みを本研究が提示したことで、我が国において制度的援助専門職者がエンパワメントを実践する際の態度形成に影響を及ぼすと考えられる。
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