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当事者家族のニーズを引き出すピアサポートーラップアラウンドの活用

研究課題

研究課題/領域番号 21K02009
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関日本福祉大学 (2023)
花園大学 (2021-2022)

研究代表者

久保 樹里  日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (10803679)

研究分担者 和田 一郎  獨協大学, 国際教養学部, 教授 (10711939)
林 浩康  日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70254571)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード当事者主体 / チームアプローチ / ピアサポーター / 地域基盤 / ピアサポート / チームサポート / ラップアラウンド / コミニティベース
研究開始時の研究の概要

わが国の社会的養育の分野では専門職主導で支援プランが決められ、プラン策定に当事者参加の機会は乏しく、支援は既存のサービスに当てはめることにとどまりがちである。本研究では、米国のラップアラウンドという方式に注目する。ピアサポーターが当事者に寄り添うことでニーズを的確に把握し、当事者を中心にピアサポーターとケアコーディネーターと公式・非公式の支援者が協働して地域にサービス体制を構築する。ラップアラウンドの実践を理解し、日米のピアサポーターと専門職の協働の実態を把握し、困難を抱える子どもの育ちを地域において支えていくためのピアサポーター養成と活用のシステムの基礎作りを行う。

研究実績の概要

2023年度も困難を抱える子ども・若者とその家族を地域で支援するチームアプローチであるラップアラウンドの支援現場での実装の素地づくりをめざして調査研究を進めた。ラップアラウンドの理念を支援現場に周知する取り組みを継続するなかで、モデル実装を行う自治体や施設が増えだし、重要な要素である当事者主体の支援、地域の公式、非公式な支援者の支援ネットワークの構築などが少しづつ進められてきた。モデル実装自治体職員と共に9月には日本家族療法学会、11月には日本子ども虐待防止学会のシンポジウムで実践の発表を行った。前者では当事者を中心におくチームづくりをテーマに、後者は当事者主体で支援プランを作成するための工夫をテーマに発表を行った。遠方出張が可能となり、ピアサポーターの役割がどのようなものかを調べるため8月に米国でフィールドワークを行った。ラップアラウンドの実装団体(ワシントン州・オレゴン州)4か所に訪問し、マネージャー、ケアコーディネーター、ピアサポーターから実践について話を聞くことができた。その結果、米国ではピアサポーターはなくてはならない存在になっており、当事者の声を引き出すために重要な役割を果たしていることがわかった。ピアサポーターについての論文の翻訳を進めてきているが、その内容とも重なる結果であった。米国の調査内容について2024年3月24日にオンラインで調査報告会を実施し24名が参加した。2024年2月にはニュージーランドの教育分野でのラップアラウンドの実践について調査し、マオリ族のピアサポーターの存在の意味と支援の難しさについても話を聞いた。オーストラリアの社会的養護出身の若者支援機関においてピアサポーターの活動について、支援者が当事者理解を進める研修機関の実践についても調査することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は遠方への出張が可能となり、これまで止まっていた米国のワシントン州とオレゴン州において、4か所のラップアラウンド提供団体を訪問し、ラップアラウンドの関係者やその協力機関の職員も含めて話を聞くことができ、継続的に調査ができる素地を作れた。また米国以外にもラップアラウンドを展開しているニュージーランド、ピアサポーターが活躍するオーストラリアの実践の概略も聞くことができ、こちらも継続的な調査の同意を得ることができた。2023年度は来年度の調査の素地を作るにとどまり、詳細なインタビュー調査にはいたれておらず、やや遅れていると考える。またラップアラウンドの研修実施後のアンケートについてはテスト的に実施するにとどまった。アンケート項目を精査する必要がある。モデル実装中の自治体では、まだピアサポーターが活動できているところはなく、こちらも調査ができるところまでは進んでいない。そのため調査方法の再検討が必要なため、やや遅れていると考える。

今後の研究の推進方策

①米国ワシントン州・オレゴン州のラップアラウンド提供団体のケアコーディネーター、ピアサポーターに対し、個別のインタビュー調査を実施し、ピアサポーターの活動の意味、専門職との協働の推進の方法などについて調査を実施し、その成果を発表する。②2023年度翻訳した米国のピアサポーターについての各種論文の整理を行い、紹介する。③日本のモデル自治体の職員に対し、ラップアラウンド実装におけるピアサポーターとの協働についての意識と工夫についてインタビュー調査を実施し、その成果を発表する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (28件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) 図書 (7件)

  • [雑誌論文] My voice My life 社会的養護当事者の語り2024

    • 著者名/発表者名
      林浩康
    • 雑誌名

      月刊福祉3月号

      巻: 3月号 ページ: 78-89

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ラップアラウンドは当事者とともに家族支援ネットワークを構築する2023

    • 著者名/発表者名
      吉村拓美・久保樹里
    • 雑誌名

      子どもの虐待とネグレクト

      巻: 第25巻 ページ: 202-212

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 解説 社会的養護2023

    • 著者名/発表者名
      林浩康
    • 雑誌名

      月刊福祉7月号

      巻: 7月号 ページ: 78-89

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] My voice My life 社会的養護当事者の語り2023

    • 著者名/発表者名
      林浩康
    • 雑誌名

      月刊福祉7月号

      巻: 7月号 ページ: 78-89

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] My voice My life 社会的養護当事者の語り2023

    • 著者名/発表者名
      林浩康
    • 雑誌名

      月刊福祉11月号

      巻: 11月号 ページ: 78-89

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 児童相談所における虐待対応とケアマネジメント2023

    • 著者名/発表者名
      林浩康
    • 雑誌名

      ケアマネジメント学

      巻: 21 ページ: 14-21

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 児童福祉と子どものウエルビーイング2022

    • 著者名/発表者名
      林浩康
    • 雑誌名

      世界の児童と母性

      巻: 92 ページ: 3-7

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 映画にみる子ども虐待(12)映画『朝が来る』 : 予期せぬ妊娠・不妊治療・特別養子縁組について考える2021

    • 著者名/発表者名
      林浩康
    • 雑誌名

      子どもの虐待とネグレクト

      巻: 23(3) ページ: 307-311

    • NAID

      40022801565

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 新型コロナ禍における子育て家庭の育児ストレスや子ども虐待の実態及びその対策に関する予備的研究2021

    • 著者名/発表者名
      久保樹里 才村純 都築繁幸 植田美津江 和田一郎 他
    • 雑誌名

      東京通信大学紀要

      巻: 4 ページ: 339-357

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 困難を抱える子どもと家族を地域で支える   ラップアラウンドの実装に向けて  当事者を中心にしたチームづくり2023

    • 著者名/発表者名
      久保樹里、三木馨、菅野道英、吉村拓美
    • 学会等名
      日本家族療法学会第40回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 困難を抱える子どもと家族を支えるラップアラウンド 当事者主体で支援プランを作成するために2023

    • 著者名/発表者名
      久保樹里、岡本あい、北谷多樹子、後藤
    • 学会等名
      第29回日本子ども虐待防止学会滋賀大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 特定妊婦支援における連携協働ー大阪市産前産後母子支援事業の取り組みから2023

    • 著者名/発表者名
      久保樹里、廣瀬みどり、宮口智恵、
    • 学会等名
      第29回日本子ども虐待防止学会滋賀大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 児童福祉機関のソーシャルワーカーの専門性を高めるために 米国タイトル4Eの取り組みと成果2023

    • 著者名/発表者名
      粟津美穂、久保樹里
    • 学会等名
      第29回日本子ども虐待防止学会滋賀大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 子どもと家族を中心にしたチームでの支援―ラップアラウンド養成研修受講者の気づきとふりかえりをとおして2022

    • 著者名/発表者名
      久保樹里、吉村拓美
    • 学会等名
      日本子ども家庭福祉学会 第23回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 困難を抱える子どもと家族を支えるラップアラウンドの現場活用ー自治体における実装を進めるなかで―2022

    • 著者名/発表者名
      久保樹里、岡本あい、吉村拓美、渡邊直
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第28回ふくおか大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 移行期にある子どもとの対話をすすめるためにー当事者ユースが作成した絵本の現場での活用に向けて2022

    • 著者名/発表者名
      久保樹里、畑山麗衣、前原一教、川上誠司、斎藤隆史
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第28回ふくおか大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 子どもの声を聴く支援―要対協の活用、当事者の声、ピアサポートの活用ー2021

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第27回大会かながわ大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「子どもと家族を支えるラップアラウンドーケア・コーディ ネーター養成研修による学びと実装への道筋」2021

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第27回大会かながわ大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「親子が健やかに家庭で生活できるためのプログラム政策評 価」2021

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第27回大会かながわ大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「困難を抱える子どもと家族を地域で支えるラップアラウン ドの実装に向けて」2021

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 学会等名
      日本家族療法学会第 38 回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「当事者ユースが必要と感じる移行期の子どもたちへの支援 ―社会的養護で暮らす子どもに向けた絵本の作成をとおして ー」日2021

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 学会等名
      日本子ども家庭福祉学会第22回全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 児童相談所一時保護所の子どもと支援2023

    • 著者名/発表者名
      和田一郎
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      明石書店
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 人間社会の再生可能性2023

    • 著者名/発表者名
      花園大学人権教育研究センター(久保樹里)
    • 総ページ数
      204
    • 出版者
      批評社
    • ISBN
      9784826507424
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 日本の児童相談所2022

    • 著者名/発表者名
      川松 亮、久保 樹里、菅野 道英、田﨑 みどり、田中 哲、長田 淳子、中村 みどり、浜田 真樹
    • 総ページ数
      384
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      475035449X
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 子ども虐待を防ぐ養育者支援―脳科学,臨床から社会制度まで2022

    • 著者名/発表者名
      黒田公美(編著)久保樹里
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      岩崎学術出版
    • ISBN
      4753312151
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 子ども虐待の克服をめざして-吉田恒雄先生古稀記念論文集2022

    • 著者名/発表者名
      児童福祉政策における養育観林浩康 ─保護者・家庭の位置付けを中心に
    • 総ページ数
      394
    • 出版者
      尚文社
    • ISBN
      4860311728
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 子どもの育ちを支える保育の計画と評価2022

    • 著者名/発表者名
      柴田長生、大森弘子(久保樹里)
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      北大路書房
    • ISBN
      4762831867
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] すき間の子ども、すき間の支援 : 一人ひとりの「語り」と経験の可視化2021

    • 著者名/発表者名
      村上靖彦 (久保樹里)
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      4750352519
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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