研究課題/領域番号 |
21K02029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 東日本国際大学 |
研究代表者 |
西野 勇人 東日本国際大学, 健康福祉学部, 講師 (70845768)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 社会保障 / 高齢者介護 / 家族介護 / 公的介護サービス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高齢者介護におけるケアの提供主体が、どのような構造・パターンで機能しているかを、国内外の量的調査のデータを基に分析する。その際、身体介護や家事支援などのケアの種類、また、在宅サービスと施設サービスという公的サービスの種類の違いを考慮したモデルにより理論化を図る。分析においては、(1)施設サービスと在宅サービスの選択プロセス、(2)家族内の介護役割の認識、(3)居宅サービス利用と家族による援助内容の関係、(4)国の制度的特徴と家族介護の関係、という4点に着目して分析を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、介護保険などの公的ケアと、家族介護をはじめとする私的ケアがどのようなバランスで成立しているのかを明らかにすることである。本年度は、国際比較と歴史記述の側面から日本の高齢者介護政策の特徴について整理した上で、これまで行ってきたデータ分析の結果をまとめながら、日本の高齢者福祉政策と親子間の援助のあり方がどのように関連しているか分析した。 まず、他国の制度との比較と、国内の高齢者福祉の歴史的記述を通じて、日本の高齢者介護政策の現状と特徴を整理した。その結果、日本の制度の特徴は家族補完型サービス中心の家族主義としての特徴を有していることを論じた。 続いて、日本と欧州の社会調査データを用いた分析をそれぞれ行い、両者の結果を比較した。分析の結果、在宅サービスと家族介護の補完関係が明らかになった。要介護高齢者が在宅サービスを利用する場合、その子どもは、利用しない要介護高齢者の子どもと比べ、親に対して身体介護を提供する確率は高い。この点は日本とヨーロッパ諸国に共通していた。しかし、ヨーロッパにおいては、在宅サービスの利用が、身体介護を伴わない家事的援助のみを提供するような援助ともプラスの相関関係があったのに対し、日本においては、公的サービス利用とそのような「軽い負担」の援助は、代替関係にも補完関係にもなっていなかった。さらに、施設サービスが十分に供給されている国の場合は、子が親に身体介護を提供する確率が低かった。全体としては、介護労働の脱家族化は、在宅サービスではなく施設サービスによって担われることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一部のデータ分析と成果執筆が完了していないため、今後も適宜、分析と執筆を進める。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、各種の社会調査データの分析を進める。今後は、日本における中高年向け調査のデータを分析し、高齢者が公的介護サービスを利用する場合の、居宅サービスと施設サービスの選択プロセスの分析を進める。
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