研究課題/領域番号 |
21K02051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
大嶌 聖子 淑徳大学, その他部局等, 研究員 (60816221)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 日記研究 / 仏教福祉史 / 原本史料 / 戦国・織豊期 / 福祉史の事例集積 / 福祉史の方法論 / 日記 |
研究開始時の研究の概要 |
社会福祉分野での諸課題を解決する糸口を見いだすために、社会福祉の歴史的な事象に注目する研究である。 社会福祉の概念がない時代ではあるものの、日本の戦国・織豊期を対象として、当時の福祉課題を明らかにしていく。人々がどのように精神的なよりどころを求めていたか、社会福祉の要素が認められる仏教に焦点をあてて、同時代の個人の日記を素材に、その様相を具体的に探求する。社会福祉史のうち仏教福祉史の構築を目指す研究である。
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研究実績の概要 |
本研究の検討対象時期は日本の戦国・織豊期であるが、福祉の概念が無いため、まずは前提となる福祉にかかわる事例を抽出・集積する作業を行うことを課題としている。方法論の面では、事例の少なさを克服する試みであり、具体的に原本が残る日記から探る。しかし、当該年度もコロナの流行の影響等もあり、原本史料の閲覧が思うに任せず、原本の閲覧以外の手段を考え、史料の記述内容についての検討も進めている。 日記の記事から、福祉的な要素を導き出すことに重点を置き、福祉的要素の抽出方法の1つを提示した、前年にまとめた論文「前近代の福祉の視点を求めて―中近世移行期の日記の検討から―」が刊行となった(大嶌聖子「前近代の福祉の視点を求めて―中世移行期の日記から」社会事業史学会創立50周年記念論文集刊行委員会(編集)『創立50周年記念論文集 戦後社会福祉の歴史研究と方法―継承・展開・創造』第1巻〈思想・海外〉 近現代資料刊行会)。 歴史学では頻繁に使用されてきた日記史料の記事を福祉的にどのように読み替えるか、福祉的な事例をどのように抽出し福祉史に活用していくか、具体的な方法の提示を進めている。家忠の活動のなかの「福祉」的な要素には、仏教的な事柄が色濃く含まれていることが指摘できるが、記主の立場は、仏教を受容する側であり、いわば福祉を受ける側の視点からの事例を抽出できたといえる。 当初予定であった原本から得られた情報のデータ化を始め、日常性・非日常性という視点から福祉にかかわる事例を抽出・集積する作業を進め始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行の状況により、資料の閲覧がの進捗状況が遅れている。そのため、原本資料の閲覧によって得られる情報の分析が、時間的に後ろ倒しとなっている。 また同一人物の日記原本を一括で閲覧する必要性から(貸し出し状況があり)、閲覧の時期が限られたため、短期間の閲覧のなかで得られた情報をまずはまとめることとした。
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今後の研究の推進方策 |
原本閲覧を予定していた史料(「家忠日記」(重要文化財))は、原本の貸し出し状況もあり、年度末に日記の原本閲覧が可能となり、2日間雷覧する機会を得た。今後、原本から得られる情報を収集しつつ、写真やデータからは窺えない自筆の原本から判明した情報を整理し検討する。
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