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被害者支援の視点からのDV再発防止にむけたDV加害者プログラム開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K02063
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関関西学院大学

研究代表者

高井 由起子  関西学院大学, 教育学部, 准教授 (50351771)

研究分担者 菅原 伸康  関西学院大学, 教育学部, 教授 (70412913)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワードドメスティック・バイオレンス / 子ども虐待 / ジェンダー / 加害者対応 / フェミニストソーシャルワーク
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、DV加害者とそのパートナーや家族にとって、DV加害者プログラムが暴力再発防止に役立つか否かを明確にすることである。具体的にはDV加害者プログラムの効果について評価を行う。またその結果に基づき、DV加害者プログラムマニュアルを開発する。
現在のDV被害者支援は、加害者から逃げることや離れること、別れること等が中心となっている。本研究の結果からDV加害者プログラムをはじめとするDV加害者対応について、その効果や課題等が明確になることにより、DV被害者支援の幅が広がるものと推察する。
以上の調査研究により、DV被害者やその家族のQOLの向上を目指すものである。

研究実績の概要

2023年度は、主にはDV加害者プログラム参加者によるアンケート調査の分析を行った。今回の調査研究分析においては、DV加害者の多くは暴力の被害者である人が多いということ、DV加害者プログラムで学んだことをDV抑止のために役立てている人、生きづらさの解消に役立てている人、DV加害者プログラムに参加することにより、パートナーとの関係改善、子どもとの関係改善等に役立ったと感じている人などが一定数いること等が明確になった。さらに、万能感はないものの、必要とする人はおり、一定の効果が見られる可能性があることもうかがえた。そしてその結果を「被害者支援としてのDV加害者プログラムはどうあるべきか
―DV加害者プログラム参加者へのアンケート調査結果からの考察」として論文を作成し、『ジェンダー法研究10号』にて公表する機会を頂いた。以上の分析は単純集計によるもののため、引き続いてクロス集計その他の分析方法によって、より詳細に考察を行っている。
もう一つは「子ども虐待事案に関連する保護者やDV加害者への対応の課題と可能性―児童相談所職員へのアンケート調査分析を通して」として、児童相談所の職員へのアンケート調査を分析し、考察を行った。児童相談所勤続年数とのクロス集計を見ると「DV加害者プログラムの必要性を感じる」については6年から10年の勤続年数の人が一番多く肯定していることに加え、10年以上の人もそれに次いで肯定しているという結果となった。また、DV加害者プログラムは効果があると思う」については肯定している人は半数未満ではあるが、これも勤務年数が多い人ほど効果があると回答する傾向にあった。以上の結果から、DV問題や子ども虐待事案に日々対応している専門職の中でも経験年数の長い人ほど、DV加害者プログラムを肯定的にとらえている可能性がうかがえることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

報告者や研究協力者は授業がある期間は担当もちコマ数が多く、また受講生も非常に多い状況にあり、その期間に研究を進めることが非常に困難である。そのため授業が実施されていない期間に研究を進めることが必要であるが、この期間においても、資格取得等のための実習関連カリキュラムが実施されており、実習視察や実習関連の対応等もある。その隙間をぬって調査研究を実施していく必要がある。このため、本研究計画の柱となる、「DV加害者プログラムに参加している人へのインタビュー調査」が全く実施できていない。

今後の研究の推進方策

これまで、児童相談所職員のDV加害者や子どもへの不適切なかかわりをしてしまう人に対する意識、DV加害者プログラムに対する考え等を把握するためのアンケート調査を実施し、その分析を行うことができた。さらにDV加害者プログラムに参加している人に対するアンケート調査を実施し、単純集計によるものではあるが、分析を行い、研究論文を公表することができた。これらは国内においても先行研究が多くあるわけではなく、非常に貴重な調査研究の機会となったと考えている。
この研究をさらに発展させるために、特に、DV加害者プログラムに参加する人に対して、先ほどのDV加害者プログラム参加者へのアンケート調査研究をベースとして、より具体的にインタビュー調査を実施していきたい。そのことにより、質量ともに、DV加害者プログラムの効果や課題となることについて明確にしていく予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 子ども虐待事案に関連する保護者やDV加害者への対応の課題と可能性ー児童相談所職員へのアンケート調査分析を通して2024

    • 著者名/発表者名
      髙井由起子
    • 雑誌名

      教育学論究

      巻: 15 ページ: 1-12

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 被害者支援としてのDV加害者プログラムはどうあるべきか―DV加害者プログラム参加者へのアンケート調査結果からの考察2023

    • 著者名/発表者名
      髙井由起子
    • 雑誌名

      ジェンダー法研究

      巻: 10号 ページ: 153-172

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 児童相談所職員と家庭児童相談員の連携のあり方に関する基礎的研究:両職員へのアンケート調査における自由記述からの考察2023

    • 著者名/発表者名
      髙井由起子 寅屋壽廣 西山直子
    • 雑誌名

      教育学論究

      巻: 14 ページ: 11-19

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 子ども虐待事案に関連する保護者やDV加害者対応に関する意識について:児童相談所職員へのアンケート調査分析を通しての考察2022

    • 著者名/発表者名
      髙井由起子・寅屋壽廣
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第28回学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] DV加害者対応はDV被害者支援たりうるか ―人権問題としてのDV問題にかかる加害者対応の課題を中心として―2022

    • 著者名/発表者名
      髙井 由起子
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      4623093247
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 身近に考える人権2022

    • 著者名/発表者名
      髙井 由起子 編著
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      4623093255
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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