研究課題/領域番号 |
21K02068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 静岡県立大学短期大学部 |
研究代表者 |
中澤 秀一 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (70435296)
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研究分担者 |
新美 達也 名古屋学院大学, 経済学部, 准教授 (80773192)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 最低生計費 / マーケット・バスケット方式 / ディーセント・ワーク / 最低賃金 / ベトナム人労働者 / 誰ひとり取り残さない / ディーセントワーク / 外国人労働者 / 生活時間 / 時間の貧困 / 誰一人取り残さない / 社会保障 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、持続可能な開発目標(SDGs)で定められた17のゴールのうち、「ディーセント・ワークと経済成長」について、その実現の条件を社会制度(賃金雇用システム・社会保障制度・税制)の観点から考察し、わが国で誰も取り残されない社会を展望するものである。。 具体的には、社会から取り残されてしまっている人々の抱えている課題を、最低生計費調査と生活時間調査の二つの調査から「所得」と「時間」の両面から把握し、社会から取り残されないために、どのような社会制度が必要なのかを考察し、政策提言へとつなげるものである。
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研究実績の概要 |
ベトナム人労働者に対する最低生計費調査の本格実施に向けて、予備調査のために2023年11月~12月にかけてベトナム・ホーチミン市を訪問した(共同研究者の新美氏および研究協力者の小澤氏)。現地では、技能実習生の事前研修を行っている企業や、主に大卒者の日本企業へのあっせんをおこなっている企業に対する聞き取りを行った。さらに、日越工業大学の視察も行った。現在のベトナムの青年たちの置かれた状況や送出機関の実情を知ることができた。この際に、アンケート調査への回答を依頼した。この研究成果の一部は、2024年1月に名古屋学院大学に開催された国際ワークショップ「ASEANにおける語学教育とキャリアパス」にて「ベトナム・タイにおける日本語学習者のキャリア意識と日系企業動向」の演題で公表している。 最低生計費調査の結果の分析も進めた。最低賃金制度の問題点について分析(研究代表者の中澤による研究)のほか、政府統計(全国消費実態調査)のの匿名データを用いた実態生計費と比較し、マーケット・バスケット方式による推計結果の特徴について検証も行った(中澤および研究協力者の村上氏の共同研究)。これらの研究成果は、前者については2023年6月に立教大学で開催された社会政策学会第146回大会の共通論題にて「最低賃金制度の再考-生計費視点からの見直し」の演題で、後者については2023年12月に札幌学院大学で開催された貧困研究会第16回研究大会にて「最低生計費に関する研究—生計費調査と全消データとの比較から」の演題で、それぞれ公表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最低生計費調査に関しては、さまざまな角度から研究が進展し、ディーセント・ワーク実現に向けた社会制度(賃金雇用システム、社会保障制度、税制)の再構築のための根拠が整いつつある。 その一方で、外国人(ベトナム人)を対象とした調査に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響(研究代表者の感染による後遺症、渡航制限等)により、予備調査の段階までしか進捗しておらず、調査の本格実施には至っていない。さらに、生活時間調査についてもまだ実施されていない。
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今後の研究の推進方策 |
最低生計費調査の調査項目の精査を行った後、ベトナム在住および来日後の青年に対してウェブフォームによる調査を実施する。 また、沖縄県および新潟県の技能実習生に対する聞き取り調査も実施して、その生活実態を詳細に把握することに努める。 さらに、生活時間調査を含めた調査をこれまで最低生計費調査の未実施地域(群馬県および栃木県)にて実施し、最低生計費と生活時間との統一的な把握を試みる。
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