研究課題/領域番号 |
21K02070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
黒瀬 光一 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30280754)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 代替法試験 / 免疫原性試験 / アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
日常生活に存在する様々な(低分子の)化学物質、例えば化粧品や医薬品、の免疫学的な安全性を評価する方法の一つに皮膚感作性試験がある。動物福祉への配慮や製品開発の効率化の観点から動物試験の代替法として、現在、3種類のin vitro皮膚感作性試験法がOECDの毒性試験ガイドラインとして国際的に承認されている。しかし、安全性評価には少なくとも2種類の代替試験法を実施することが推奨されており、コストや労力の面で負担が大きい。そこで本研究では、単独のin vitro試験で動物試験に匹敵する感作性予測能と簡便性・低コスト性を兼ね備えた試験法の開発をめざし、化学物質の安全性確保に貢献する。
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研究実績の概要 |
我々が開発したRealtime PCR-Based-h-CLAT(RPB -h-CLAT)法において、昨年度までに、これまで24時間を要した被験物質の曝露時間を5時間に短縮することが可能となった。今年度はさらに被験物質数を増やし、有用性の検証を行った。その結果、2感作性マーカー遺伝子の使用で43被験物質中40種の感作性を正しく評価できることが判明し、動物試験であるmurine LLNAによる感作性評価との一致率は90.7%となった。 一方、化学物質の代謝活性化による感作性を検出可能にするために、代謝活性化に関わるcytochrome P450(CYP)分子種とP450 oxidoreductase (POR)とを安定的に共発現するTHP-1細胞株の樹立をめざし、昨年度までにPOR、 CYP1A1、 CYP2E1ならびにCYP3A5のcDNAをEpisomal発現 Vector でにそれぞれサブクローニングし、Episomal発現プラスミドを作製した。今年度は、CYP3A4発現Episomal プラスミドとPOR発現Episomal プラスミドを用いて、PORとCYP3A4共発現THP-1細胞の樹立を行った。共発現細胞においてPORとCYP3A4のmRNAが発現していることをrealtime RT PCRにより確認し、さらにCYP3A4の活性をP450-Glo CYP3A4 Assayを用いて確認した。共発現していないTHP-1細胞ではCYP3A4活性が認められなかったが、PORとCYP3A4の共発現細胞では十分なCYP3A4活性が認められた。この共発現株を用いてRPB -h-CLAT法により、数種類の被験物質を用いて感作性評価を行ったところ、正しく感作性を評価することができた。このことから、樹立したPORとCYP3A4共発現THP-1細胞は感作性評価に使用できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
以下の理由により遅れていると判断した。 CYP/POR安定共発現細胞株の樹立数が当初の予定よりも進んでいない。 代謝活性化する化学物質の感作性評価を実施できていない
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今後の研究の推進方策 |
1. CYP/POR安定共発現細胞種の樹立数を増やす。 2. 樹立したCYP/POR安定共発現細胞株を用いて、代謝活性化する化学物質の感作性評価を実施し、代謝活性化する既知の化学物質の感作性を正しく評価できるのか否かを確認し、化学物質の代謝活性化による感作性の評価手法を確立する。
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