研究課題/領域番号 |
21K02086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 共立女子短期大学 |
研究代表者 |
山口 庸子 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (20201832)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | ウルトラファインバブル / レーザー回析・散乱法 / 動的表面張力 / マイクロバブル / 界面活性剤 / オゾン / ファインバブル |
研究開始時の研究の概要 |
ウルトラファインバブル水(以下,UFB水)は,数ヶ月レベルでの長期保存が可能であり,多種多様な気体を取り込むことで,付加価値の高い新技術としての応用が期待できる。本研究では,高い殺菌・消臭効果を有するオゾンをナノバブル化した「オゾンUFB水」と酵素活性の促進が期待できる酸素をナノバブル化した「酸素UFB水」について,系統的な実験を基にメカニズムを解明し,高い殺菌・消臭効果と酵素活性を高めた「低温殺菌洗浄システム」の開発を行う。さらに,食器洗い乾燥機(食洗機)を事例として実用化に向けた検討を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は高機能付与と環境負荷の削減が同時に行える「低温殺菌洗浄システムの開発」を目標に,ウルトラファインバブル水(Ultrafine Bubble: UFB水)の機能やメカニズムを解明する基礎研究とオゾンUFB水等の活用可能とするための応用研究を行うもので、2023年度は大気を用いた加圧溶解式の発生装置にキャビテーション方式の発生装置を加えて、UFB水を作成し比較した。測定は、レーザー回析・散乱法(SALD7500nano:Shimadzu)にてUFB水の気泡サイズを示す粒子径分布と気泡の密度を示す個数濃度の測定および動的表面張力(KRUSSS社製・ハンディタイプ)に及ぼす影響を測定した。レーザー回析・散乱法では、回分セルの単回測定に比べて,撹拌を行いながら定間隔連続測定を行った場合の方が、バラつきが少なく、5分程度の測定で安定した粒子径分布と個数濃度の平均的な値が得られることが分かった。さらに、回分セルとフローセルの粒子径分布と個数濃度の測定結果に明らかな違いが見られなかったことから、回分セルによる撹拌を伴う5分程度の定間隔連続測定を行うレーザー回析・散乱法でファインバブルの安定した測定が行えることを確認した。また、いずれの発生装置におりても、ほぼ同程度の粒子径分布(0.0001mm付近)が得られ、界面活性剤の添加により粒子径分布への影響を確認することができた。しかし、定性的な影響を明らかにするには、界面活性剤の種類や添加量等システマティックな分析を行う必要がある。また、動的表面張力の測定に関しても動的表面張力の測定方法を再検討する必要性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
キャビテーション方式の発生装置を追加したことでUFB水の発生条件や測定方法を追加することで延長する要因の一つとなったが、粒子径分布や個数濃度の測定を通して、発生方法の違い左右されることなくUFB水のサイズは概ね0.1マイクロメーター前後にあることを確認することができた。しかし、実験の時間をまとめて確保することが厳しく、測定精度の低いハンディタイプ(KRUSS社製)の動的表面張力測定計の測定精度を見直す実験や界面活性剤の併用効果の測定方法については検討しなければならない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
UFB水の動的表面張力の測定について、再度、精度の低いハンディタイプ(KRUSS社製)でも測定が可能な方法として、各種界面活性剤との併用効果や水温の影響も加味した継続的な実験が必要である。また、学会等にて情報交換を行うことでブレイクスルーを図り、動的表面張力の測定を可能とする。UFB水の計測方法として、レーザー回析・散乱法の一般的な測定である回分セルの単回測定に対して、「撹拌を行いながらの定間隔連続測定」の有効性を周知するために学会や論文等にて発表を行い、情報交換を通してレーザー回析・散乱法の一般的な測定方法の一つとして提案していきたい。
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