研究課題/領域番号 |
21K02089
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
金 慶孝 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (30504550)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 不織布 / XCT観察 / トレーサー繊維 / 不織布の変形 / 定量的評価 / ニードルパンチ不織布 |
研究開始時の研究の概要 |
従来,不織布の製造条件の決定は,主に現場のノウハウに依存していた.これは不織布構造の不均一性も一因であるが,簡便で定量的な構造解析手法がなかったことに主な原因がある.そのため,本研究ではX線CTの非破壊測定に注目した.また,金属を入れたトレーサー繊維を含んだニードルパンチ不織布を作製し,X線CTで観察すれば,不織布の物性を大きく左右すると知られている杭状繊維,ブリッジ,スティッチ構造をより鮮明に可視化および定量化(繊維体積分率、配向度など)することもできる.その結果を元にして、引っ張りと圧縮など変形に伴う不織布の構造変化を定量的に解析することで,不織布の強度発現メカニズムも明らかにしていきたい.
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研究成果の概要 |
Nylon/AgIトレーサー繊維を作製し,X線CTを用いてニードルパンチ(NP)不織布中のトレーサー繊維の可視化に成功した.3層のNylon繊維Webと1層のNylon/AgIトレーサー繊維Webから成る不織布を作製,トレーサー繊維の部分だけ可視化し,1,2,3層から移動する繊維の体積分率を計算した。Nylon/AgI繊維と密度差を付けたトレーサー繊維(Nylon/CuI繊維)を作製し,2種類のトレーサー繊維を用いて作成したNP不織布構造の可視化や4層以下への繊維移動を解析することで,試料内で異なる位置から移動し,形成される杭状繊維束やStitch構造にどの様に影響を及ぼすのか評価した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不織布とは, 繊維同士が機械的な交絡, もしくは熱・化学的な接着により結合したシート状の繊維集合体のことである.現在では繊維産業の約10%を占めている重要な繊維材料であるが,内部構造に関する定量的な解析など,不織布の機械的な物性発現メカニズムに関してもほとんど知られてなかった.提案されたトレーサー繊維とXCTを応用し,不織布の杭状繊維束やstitch構造など繊維集合体の構造を可視化及び定量評価することで,不織布の内部構造と物性との関係を明らかにする基礎研究が出来た.材料の微細構造をモデルかし強度発現メカニズムを明らかにする研究ができ,学術的および産業的にも価値がある研究になったと考えている.
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