研究課題/領域番号 |
21K02092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
金丸 芳 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (00243676)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 志賀毒素 / O157 / 難消化性成分 / 吸着 |
研究開始時の研究の概要 |
腸管出血性大腸菌が産生する志賀毒素(Stx)を食品由来の難消化性成分により吸着除去できれば、感染予防、病態改善が期待できる。しかし志賀毒素吸着が可能な食品は我々が報告した納豆のポリグルタミン酸(PGA)とウスバアオノリのラムナン硫酸以外にはあまり見出されていない。本研究はStxを吸着除去する難消化性食品成分を見出し、その吸着除去能を明らかにすることを目的とする。PGAやラムナン硫酸の吸着能を増強する方法を検討すると共に、他の多様な食品群から新たに志賀毒素吸着性食品を探索する。志賀毒素吸着性食品から有効成分の単離同定・吸着部位の解析を試み、細胞モデルを用いて機能解析を行う。
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研究実績の概要 |
O157志賀毒素(Stx)を吸着する食品やその成分を見出す目的で,様々な食品や多糖類について検索した。O157の志賀毒素(Stx)吸着能を有する食品を検索した。12種類の食品を凍結乾燥して粉砕したものについて,オートクレーブ(121℃,15分)処理した5%熱水抽出液を調整し,Stx吸着能を検討した。その中で,オクラ,長いも,レンコンは, Stx1, Stx2双方に対して,高い吸着能を示した。その効果は,生の状態より加熱処理(オートクレーブ)によって増大することを確認した。特に,オクラは顕著な吸着能を有し,オクラの5%抽出液(オートクレーブ処理)と1024 ng/mlのStxを同量混和した場合,Stx1を100%、Stx2を87.5%吸着した。O157の志賀毒素(Stx)吸着能の高い多糖類を検索した。13種の多糖類について,オートクレーブ処理した2.5 mg/mL水溶液を調整し,Stx吸着能を検討した。グアーガム,キトサンがStx1,Stx2双方に対して高い吸着能を示した。さらにグアーガムは0.1 mg/mL,キトサンは0.03 mg/mLとStxの低濃度でも強い吸着を示した。最も高いStx吸着能を示したキトサン(0.1 mg/mL)は,Stx1 512 ng/mL,あるいはStx2 1024 ng/mLと同量混和した場合,Stxを100%吸着し,顕著な吸着能を有していた。また,キトサンによるStx1の吸着には高分子度の違いによって吸着能に差異があったが,Stx2の吸着には違いがみられなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海藻類については吸着能を見出していたが,その他の各種の食品成分にもStx吸着能を見出すことが目的の一つであり,令和4年度はそれを達成することが出来た。また,海藻から見出した有効成分についても,吸着能に係る因子をさらに検討中であり,その成果も出てきている。
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今後の研究の推進方策 |
海藻のラムナン硫酸とフコイダン,さらに令和4年度に吸着能を見出したキトサンについて,GPCによる分子量測定を行い,分子量の違いによる吸着能,Stxとの結合に関与する因子の検討を行う。さらに吸着能を高める他の要因等を見出すことを検討する。
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