研究課題/領域番号 |
21K02100
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 山梨学院大学 |
研究代表者 |
名取 貴光 山梨学院大学, 健康栄養学部, 教授 (00528721)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HDAC / リグナン / アントシアニジン / 寿命延伸 / 寿命延長 / アンチエイジング / ポリフェノール |
研究開始時の研究の概要 |
寿命の延伸に関わるヒストン脱アセチル化酵素(Hdac)には、阻害されて作用するHdacサブタイプと、増強されて作用するHdacサブタイプがあり、それぞれは異なる食品成分により調節され寿命延伸を導いている。本研究では、このHdacサブタイプを特定し、それぞれの寿命延伸の分子メカニズムを明らかにする。 ①蛍光ペプチドアッセイ法を用いてそれぞれのHdacサブタイプを特定する。 ②Hdacそれぞれにより調節される抗老化関連遺伝子を特定する。 ③老化モデル生物(線虫)を用いて、関連する分子シグナルを明らかにする。 本研究により、食品成分により誘導される抗老化作用の現象がHdacの活性化調節による遺伝子制御によることを証明する。
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研究実績の概要 |
食品成分により誘導される抗老化作用の現象がヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の活性化調節による遺伝子制御によることを検証するため、クラスⅠのHDACに対するアントシアニジン類とリグナン類の活性調節の有無と、各変異体に対する寿命延長の検討を行った。その結果、アントシアニジン類はHDAC1に対する阻害作用、またリグナン類はHDAC1に対する阻害作用と、HDAC2とHDAC3に対する活性増強が認められた。したがって、アントシアニジン類による寿命延伸は、HDAC1、リグナン類による寿命延伸にはHDACすべての関与の可能性が考えられる。 また、これまでの検討において、アントシアニジン類のデルフィニジンおよびペオニジン、ペチュニジンには線虫の寿命延伸がみとめられている。そこで、各HDACを欠損する線虫の変異体、hda-1、hda-2、hda-3にデルフィニジンおよびペオニジン、ペチュニジンを添加し寿命延伸の有無について検討を行った。その結果、デルフィニジンはHDAC2とHDAC3の変異体(hda-2、3)に対し寿命延伸がみとめられ、HDAC1の変異体(hda-1)に対しては寿命延伸がみとめられなかった。また、ペオニジンとペチュニジンはいずれの変異体においても寿命延伸はみとめられなかった。このことから、アントシアニジン類はHDAC1を介した制御機構が存在すると考えられる。 一方、リグナン類は、すべてに寿命延伸が確認されている。そこで、各HDACを欠損する線虫の変異体、hda-1、hda-2、hda-3にシリンガレシノール、セコイソラリシレシノール、ピノレシノール、ラリシレシノールを添加し寿命延伸の有無について検討を行った。その結果、いずれの変異体においてもリグナン化合物による寿命の延伸は確認されなかった。このことからリグナン類はHDAC2とHDAC3を介した制御機構が存在すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたクラスⅠHDACのサブタイプの検討が遅れたため、その後の変異体を用いた検討にも遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
クラスⅠのHDAC1、HDAC2、HDAC3の各変異体(線虫)の検討まで目途がついたので、続いてHDACのsiRNAノックダウンを行い、寿命延長に対する影響を検討する。その後、リアルタイムPCR等の遺伝子発現解析を行い、各HDACの関与するシグナル伝達系を検証する。
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