研究課題/領域番号 |
21K02117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
大能 俊久 福井工業大学, 環境学部, 教授 (60390902)
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研究分担者 |
古澤 和也 福井工業大学, 環境学部, 教授 (00510017)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 米飯 / テクスチャー / タンパク質 / アルブミン / グロブリン / 古米 / 低グルテリン米 |
研究開始時の研究の概要 |
1950年代に育種された「コシヒカリ」が最高級の良食味米として日本国内に君臨している。その原因は米の食味や米飯のおいしさに関する研究が遅れていることにある。そこで、米の食味や米飯のおいしさに関する研究を実施する。 総タンパク質量が多いと米飯テクスチャーが劣化することは食品研究者の間で十分認識されている。しかし、どのタンパク質がどのように米飯テクスチャーに関与するのかについてはほとんど解明されていない。そこで、古米の米飯テクスチャー劣化を取り上げ、それに関与するタンパク質を解明する研究を行う。
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研究実績の概要 |
今年度は、米のタンパク質と米飯テクスチャーの関連を明らかにするため、(1)タンパク質の増加や減少が米飯テクスチャーに与える影響、(2)還元剤溶液中での加熱が米に与える影響について検討を行った。(1)においては、アルブミンを添加することでタンパク質量を約10%増加させた米を調整して、その米飯テクスチャーの変化は小さいことを明らかにした。また、エタノール溶液で有機溶媒可溶性のプロラミンを除去した米を調整し、その米飯テクスチャーの変化も小さいことを明らかにした。(2)においては、還元剤溶液中で加熱すると加熱初期に脱離する固形分とタンパク質が増えることを明らかにした。タンパク質の中でも特にグルテリンの脱離量が増えると推測された。また、古米の研究を進める中で貯蔵によるタンパク質のSH基の減少が米飯テクスチャーに関係している可能性があることから、(3)タンパク質中のSH基定量法の検討を行った。DTNB試薬を使用してβラクトグロブリンのSH基の定量を試み、変性剤であるSDSや尿素を加えることでβラクトグロブリンのSH基の約80%を定量できるようになった。また、タンパク質とともに米飯テクスチャーに関与する要因であるアミロースについてもタンパク質と併せて研究を行うことが重要と考えた。そこで、(4)アミロース定量法の検討を行った。コンカナバリンAを使用したアミロース定量法を実施し、コシヒカリを含む数品種の米について定量を行い、文献に記されている値とほぼ同等の結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以上で記述したように、(1)タンパク質の増加や減少が米飯テクスチャーに与える影響、(2)還元剤溶液中での加熱が米に与える影響、(3)タンパク質中のSH基定量法、(4)アミロース定量法について検討を行い、それぞれ結果を得ている。そこで本研究課題はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
(2)還元剤溶液中での加熱が米に与える影響については、グルテリン脱離量の増加をSDS-PAGEでは確認できたが、ウエスタンブロッティングによる確認までは実施できていない。そこで、2023年度の早い時期にウエスタンブロッティングによる確認を実施する予定である。また、(2)の実験系で加熱処理した米のSH基量を(3)により定量する、あるいはアミロース量を(4)により定量するなど、(2)から(4)の実験系を機能的に連結した実験を行い、タンパク質と米飯テクスチャーの関係を明らかにしていく予定である。
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