研究課題/領域番号 |
21K02119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
森口 里利子 (古賀里利子) 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (30322605)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 月経前症候群 / PMS / MDQ / 食事因子 / 若年女性 / 月経前症状 / 生活習慣因子 / 炭水化物 / 食事 |
研究開始時の研究の概要 |
月経前症候群(PMS)は、女性の生活の質(QOL)のみならず、労働生産性をも低下させる要因であるとの報告もあり、就労女性が増加しているわが国においても対処すべき課題といえる。その発症要因については十分明らかではないが、中枢神経系におけるセロトニン減少が関与する説が注目されている。 本研究では、2周期の即時的な月経に伴う不定愁訴の調査による、より正確なPMSの症状を評価し、若年女性のPMSに影響を及ぼす食事因子について、特にセロトニンの前駆体であるトリプトファンを多く含む炭水化物摂取量等との関連を中心に明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、若年女性を対象に月経前症候群(PMS)に影響を及ぼす食事因子を探索することを目的とし、月経に伴う愁訴の調査(Menstrual Distress Questionnaire ; MDQ)による月経前症状を即時的に評価し、栄養素等摂取量、食品群別摂取量、食習慣等との関連を検討するものである。 令和5年度に本研究に参加登録を行った月経を有する健常な女子大学生80名に、令和4年度の対象者を加えた148名のうち、辞退者、質問票回答不備者、調査未完了者等を除いた65名を対象に、月経前症状と食習慣および生活習慣の関連について検討した。その結果、MDQ合計スコアは月経前が月経後に比べて有意に高く、月経前の愁訴が強いことが示された。月経前MDQ合計スコア、MDQ増加率(%)=(月経前MDQ合計スコア-月経後MDQ合計スコア)/月経後MDQ合計スコア×100は、いずれも居住形態、BMI区分間に有意差を認めなかった。食事摂取状況との関連を検討したところ、月経前MDQ合計スコアおよびMDQ増加率と各栄養素等摂取量との間にはいずれも有意な相関関係は認められなかった。しかし、食品群別摂取量との関連を検討した結果、月経前MDQ合計スコアと砂糖・甘味料類との間に有意な正の相関関係が、食品摂取量ではワイン、調理食塩、調理砂糖との間に有意な正の相関関係が認められた。また、MDQ増加率と低脂肪乳との間に有意な正の相関関係が認められた。なお、調理食塩と調理砂糖との間にも有意な正の相関関係が認められた。以上より、砂糖・甘味料類、ワイン、調理食塩、調理砂糖、低脂肪乳の習慣的な摂取が多い者は月経前症状が強いことが示唆された。ただし、ワイン、低脂肪乳の摂取は一部の対象者に限定されていたため、それらの影響による可能性も考えられた。さらに対象者数を増やして、多変量解析を用いて検討する必要がある。そのため、令和6年度も令和5年度と同様に調査実施の予定で準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度末~4年度にかけて、新型コロナウイルス感染拡大の影響により十分な対象者数が得られず、令和5年度調査で対象者数は増えたものの、目標対象者数に達しなかった。そのため、延長した令和6年度も引き続き、令和5年度と同様に対象者を募集し、調査を実施することに計画変更した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度までの研究実績については、第71回日本栄養改善学会学術集会にて研究発表を行う予定である。また、令和6年度調査として、現在、新たに対象者の参加登録を進めている。令和6年度前半にはおおよそ終了する予定であるため、終了次第、令和4、5年度の対象者も含め、得られたデータについて更なる解析を実施し、研究成果の報告に繋げるよう推進していく。
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