研究課題/領域番号 |
21K02121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 愛国学園短期大学 |
研究代表者 |
古谷 彰子 愛国学園短期大学, その他部局等, 准教授 (50898484)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 時間栄養学 / 夜食 / 体内時計 / 朝型・夜型 / 入眠時間 / 朝食 / 血糖値 / 朝型 / 夜型 / 糖質 / 清涼飲料水 / 入眠時刻 / 栄養指導 / 小児 / ジュース |
研究開始時の研究の概要 |
日本人の乳幼児を含む小児の睡眠時間の少なさは国際的にみても顕著であり同時に未就学児の睡眠指針でも小児の入眠時間遅延を伴う生活習慣の乱れが問題視されている。一方、成人を対象に食事の時間やタイミング、内容を考慮した時間栄養学的な食事指導における予防・改善に効果的であることは広く知られ実施されているが、乳幼児を対象とした介入研究は未開拓な分野である。そこで本研究では乳幼児がどの食事をいつ取るかといった時間栄養学的食事指導を保護者へ行い、同時に睡眠指導を行うことで乳幼児の乱れた生活習慣を改善していき、1~3年後の介入事後調査を実施し、本研究で得られた介入指導の持続的有効性についても検討する。
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研究実績の概要 |
本年度は前年度に明らかとなった夜食として糖質をとることが夜間血糖値上昇を引き起こし、睡眠時間の遅延を引き起こしている可能性をベースに、朝食など他の食事内容をどうカスタマイズすべきか、一方で夜食として摂るとすればどのような食材が適しているのかを調べることを課題とした。 その結果、間食の種類と時間帯を変え夕食後の血糖値変動を見た実験では、夕食の4時間前間食では焼き芋とフルーツグラノーラ、2時間前間食では焼き芋とフルーツグラノーラ、ポテトチップス、ナッツを摂取すると、夕食のドカ食いを抑えるだけでなく、食後血糖値上昇を抑える可能性が示唆された。 また、夕食の糖質を少なくすることで朝食摂取頻度が増えることもわかったのだが、高タンパクの朝食は、昼食と夕食後の朝食後の血糖値を抑制することができるものの、昼食を抜いてしまうと。その効果が減弱することを明らかにしたり、通常の朝食にフルーツグラノーラスナックを追加摂食した場合、平均して15種類の栄養バランスの充足率が上がり、特に充足率の少ない夜型児童の充足率が格段に上がったことがわかった。さらには被験者全体の起床時間が平日11分、休日15分早くなる、排便回数の向上に寄与することも明らかにすることができた。 夜食として適した食材としては、豆類の中でもグリーンピースが適切である可能性があり、さらには雑穀を含んだ食品も夜間の食事として有用性があるのではないかという結果まで出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度実施したアンケート調査の母数が非常に大きかったことから信憑性の高いデータを得ることが出来た。夜食の内容意外にも、別の時間の間食や、朝食、昼食、夕食内容等、どの食事・食材にフォーカスして介入研究を行えば良いかについて見通しを立てることができた。 元々、コロナの影響で介入研究ができずじまいであったが、本年度は介入研究をしやすい情勢であったことも研究の進捗と関わっていると考える。また、子供達自身の食事だけでなく、彼らを取り巻く保護者自身の食習慣や生活習慣を見直すことも重要なファクターであることもわかってきたため、より広い視野を持って研究を遂行することができたのも本年度の大きな強みであったと考える。 本年度行った研究結果を含めた講演会は、全国の栄養士会、保健所、幼稚園、小学校、学童、都庁等、子育てに関わる方々に波及することができ、大変喜ばれた内容となったことからも波及効果も非常に高いと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
夜食の内容や、その他の食事内容について、今年度明らかにし報告してきた。しかしながら、夜食を摂らない方が良いと頭でわかっていながらも、共働きや通塾の低年齢化、習い事の多さから、夜遅くに食事を摂らざるを得ない家庭も少なくない。前述した講演会にても、相談や質問が相次いだ内容であった。 そのため来年度は、本年度基礎実験で明らかとなった夜食として適した食材(グリーンピースや、雑穀類)に着目して、追加試験を行う予定である。そして、試験で明らかとなった知見を論文にまとめ上げ、時間栄養学としてのエビデンスを増やしていくことを課題とする。 この研究が推進することで、本来摂取すべきではない夜食という位置付けは変わらないものの、もし摂らざるを得ないのであれば、食材や献立の優先順位をこのようにつけたほうがいい。等の代替案を提示できるようになるのではないかと考える。そして、将来的には各家庭のライフスタイルに応じたオーダーメイド栄養指導に結び付けることが出来ることを期待したい。
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