研究課題/領域番号 |
21K02126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
重川 純子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (80302503)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 長期家計 / 家計簿 / 生活設計 / 所得変動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、パネル調査の所得データにより、所得変動のタイプの分布を明らかにすることである。イギリスのパネル調査を用いた1990年代の所得変動の分析によると、上昇傾向にあったのは1割強であり、ほぼ変化のないタイプ、一時的に上昇するが概ね変化のないタイプが各2割強であることが示されている。日本における所得の推移のデータを用い、就職氷河期世代と就職氷河期前の世代それぞれの所得変動タイプの分布状況を明らかにし、所得変動タイプへの影響を及ぼす属性、所得変動のあり方が夫妻間の家計管理タイプの変化に影響を与えているか等の家計管理との関係を探索する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、世帯の所得変動のタイプの分布を明らかにし、今後の生活設計教育の資料とするほか、所得保障政策の課題を検討することである。昨年度長期家計記録を資料に所得変動をとらえたが、今年度は、長期にわたる家計簿記帳者を多く含む戦後すぐから2021年まで記帳活動を行っていたグループの参加者に対し郵送により調査を行った(有効回収233)。記帳期間は40年を超える者が過半数を占める。回答者のうち、30,40歳代は1割弱と少なく、高年齢者が大部分を占めた。活動参加者は毎月一定書式の家計集計を事務局に提出し、事務局は年に1回、参加者の年齢別等の年間平均結果を報告している。活動参加者の大部分は女性であり、結婚を契機に記帳を始めた者が過半数を占め、家計管理を主婦役割と考えていた人が多かったと推察される。活動参加の契機として毎月の締切の存在を挙げる者が65%、仲間の存在を挙げる者が26%を占める。33%は相談・アドバイスを挙げた。家計簿記帳は個人的な行為であるが、活動グループの存在が継続を下支えしている。家計管理として予算を立てることについて、費目別、特別な支出の見積もりなどを理由に、3分の2の者が難しいと感じていたが、記帳を継続し、予算立てに過去の家計簿を用いており、調査時点で予算立てを難しいと感じる割合が2割程度に減少している。雇用者世帯が多く、高年齢者を多く含む調査対象者の中では収入予測を難しいと感じていた者は少ない。記帳は所得変動を抑制するものではないが、収支のバランスを確認し、支出内容を見直し、予算立てに活かすことで安心して支出を行うことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生活設計教育への示唆を得るため、当初より予定していたパネル調査の分析に加え、長期家計記帳者の調査を実施した。パネル調査の所得変動の分析が遅れていることから、進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
パネル調査データを用いた所得変動の分析を進め、今年度までの調査結果とあわせて生活設計教育の内容を検討する予定である。
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