研究課題/領域番号 |
21K02135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
熊倉 慧 高崎健康福祉大学, 農学部, 准教授 (80516930)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | マンネンタケ / シイタケ / 機能性成分 / 加工 / 異種発現 / タンパク質 / 遺伝子 / 保存 / 糖質加水分解酵素 / きのこ / 酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
きのこは生育ステージや収穫後において様々な酵素を発現しており、大きな成分変化が期待される。また、きのこの加工処理による成分変化には期待が持たれる。そこで本研究では、きのこの保存や加工処理による成分変化を解析し、食品としてのきのこの付加価値の向上に努める。 一方、これまでの研究できのこの老化には共通の酵素群が働いていることが示唆された。きのこ由来の酵素は、酵素学的観点からもユニークなものが多く知られている。そこで本研究では、それら酵素の特徴を明らかにする。
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研究実績の概要 |
きのこ子実体では様々な成分変化が生じていることが考えられる。また、きのこは加工食品としても利用されており、加工過程で様々な成分変化を伴っていることが示唆される。そこで本研究では、以下の2つの目的を設定し、研究を推進している。 本研究目的①である「収穫後の保存及び加工におけるきのこの成分を網羅的に解析する」に関して、シイタケを用いて加工における機能性成分変化を解析した。シイタケを浅漬け加工し、機能性成分を網羅的に明らかにした。前年度までの研究では、浅漬け加工における成分大きな変化が見られなかったため、塩分濃度や子実体の切り方などの条件等を見直し、再度、実験を行った。分析項目はアミン類、遊離アミノ酸、核酸、陰イオン性成分、脂肪酸、遊離糖を分析した。その結果、浅漬け加工により、複数の遊離アミノ酸や陰イオン成分の増加が確認された。一方、これらの成分分析結果を用いて、主成分解析を行い、シイタケ浅漬け処理における特徴的な成分を明らかにした。 もう一つの研究目的②「きのこの生活環及び機能性発現に関与する酵素を分子生物学的手法により解析する」においては、収穫後のマンネンタケ子実体において存在が確認されたタンパク質の遺伝子を用いた異種発現系の確立をも目的として研究を推進した。その結果、グルタミン酸プロテアーゼ及びα-1,2-マンノシダーゼの遺伝子に関して、大腸菌を用いたタンパク質生成に成功した。今後は、他の遺伝子の異種発現系の構築に努めるとともに、異種発現されたタンパク質の活性測定を行い、その特徴を明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究推進方策の中心である2つの目的に対して、シイタケ加工による機能性成分の分析を実施し、その特徴を明らかとした。また、大腸菌を用いた異種発現系において、マンネンタケ由来の2つの遺伝子に関して、タンパク質の発現に成功したことから研究の推進は、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後も2つの研究目的を基本として推進する。研究目的①に対して、2023年度では食塩のみを利用した浅漬けを製造し、その機能性成分を分析した。2024年度は、醤油を用いたシイタケの浅漬け加工品の製造を実施し、陽イオン性成分、有機酸、遊離糖、脂肪酸の違いを解析する。液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行い、特徴的な成分を明らかにする。きのこの漬物に関する研究は少なく、野菜を用いた漬物同様に生活習慣病の予防や免疫賦活効果が期待される。さらに、収穫後の子実体変化やシイタケ以外の食用菌の加工利用に関する情報収集を行う。 研究目的②に対しては、昨年度に引き続き、大腸菌を用いた異種発現によるタンパク質生成を試みる。成功した実験系を用いて、β-1,3-グルカナーゼの発現を試みる。また、グルタミン酸プロテアーゼ及びα-1,2-マンノシダーゼの遺伝子に関しては、安定した発現と発現タンパク質の精製方法を検討する。これら異種発現したタンパク質について、その活性を確認する。 本年度が最終年度となることから、ここまでの研究成果について、論文の作成、投稿を予定している。
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