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吸水促進に着目した玄米の新規炊飯方法の提案と応用的利用での検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K02136
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関和洋女子大学

研究代表者

大石 恭子  和洋女子大学, 家政学部, 教授 (40372908)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード玄米 / さし水 / Browning Index / 炊飯 / テクスチャー / 糊化度 / びっくり炊き / 吸水 / 官能評価
研究開始時の研究の概要

経験側に基づいて行われている玄米飯の炊飯方法に「びっくり炊き」が挙げられ,炊飯途中で差し水をすることによる吸水促進が推察されるが,差し水の方法および効果について検証がなされていない。本研究では,日常入手できる玄米を用い,白飯と同程度の時間で炊飯が可能な差し水添加法を提案し,米粒内での水の挙動,デンプンの糊化,呈味成分,飯の物性,嗜好評価に与える影響を調べ,玄米飯の物性向上との関係について解明する。

研究実績の概要

玄米の炊飯途中で,炊飯液を一度枯渇させてさし水を添加する「びっくり炊き」は江戸時代から伝承されてきた玄米の炊飯方法である。さし水添加が米の吸水を促すため,炊飯前の浸漬を省略し,さらに白飯と同程度の時間で炊飯を終えることができる。本研究では,さし水の回数,量,タイミングの違いがびっくり炊きの飯の特性ならびに炊飯過程での米の変化に与える影響について検証した。
ホーロー鍋に玄米と加水比1.2の水を入れて加熱を開始し,10分後に沸騰,沸騰継続10分後に炊飯液を枯渇させ,そこに加水比1.5の2℃のさし水を加えて沸騰継続20分後に消火,10分間の蒸らしを行った飯を対照試料とした。総加水比は一定とし,さし水を添加するタイミングを2回に分けると,さし水をするたびに米の吸水,膨化,デンプンの糊化が促されるが,白飯と同程度の加熱時間で炊飯を終了させるにはさし水は1回で十分であることが明らかとなった。さし水の最適なタイミングは糊化度が60%程度に達した時点であり,吸水を促す効果が最も大きく,これよりも早くても遅くてもさし水添加の効果が劣ることも示された。
玄米飯の各測定項目の相関関係より,炊き上がり倍率,飯の水分,胚乳露出面積率,BI(Browning Index)値,飯の硬さには,それぞれ著しく高い相関が見られた。これまで玄米飯の外皮の破裂具合を示す「胚乳露出面積率」が玄米の吸水や膨潤の指標になり得るとしてきたが,本研究より,飯粒の色彩測定で得られるBI 値の方が測定が簡便であり,かつ米粒の吸水や飯のテクスチャーを胚乳露出面積率と同じように捉えることができることを明らかにした。低吸水性が課題となる玄米炊飯において,この指標は有効であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

業務が多忙のため,研究成果をまとめることが遅れている。

今後の研究の推進方策

研究成果を論文にまとめる

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 玄米炊飯の「びっくり炊き」におけるさし水が炊飯特性および飯の性状に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      渋沢 ひかり、大石 恭子、大田原 美保、香西 みどり
    • 雑誌名

      日本調理科学会誌

      巻: 56 号: 3 ページ: 123-131

    • DOI

      10.11402/cookeryscience.56.123

    • ISSN
      1341-1535, 2186-5787
    • 年月日
      2023-06-05
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 玄米炊飯の「びっくり炊き」に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      林 倖穂、大石 恭子
    • 雑誌名

      日本調理科学会大会研究発表要旨集

      巻: 33 号: 0 ページ: 79

    • DOI

      10.11402/ajscs.33.0_79

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 玄米炊飯法「びっくり炊き」におけるさし水の諸条件の比較2023

    • 著者名/発表者名
      林 倖穂, 大石 恭子
    • 学会等名
      2023年度大会(一社)日本調理科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 炊飯過程におけるタンパク質の変化と米飯のおいしさとの関係について2023

    • 著者名/発表者名
      大石恭子
    • 学会等名
      2023年度大会(一社)日本調理科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 玄米炊飯の「びっくり炊き」におけるさし水が飯の性状に及ぼす影響2021

    • 著者名/発表者名
      渋沢ひかり, 大石恭子,大田原美保, 佐藤瑶子, 香西みどり
    • 学会等名
      日本調理科学会2021年度大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 圧縮米飯粒法を用いた玄米飯の性状評価2021

    • 著者名/発表者名
      福原美鶴, 大田原美保, 大石恭子, 佐藤瑶子, 香西みどり
    • 学会等名
      日本調理科学会2021年度大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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