研究課題/領域番号 |
21K02138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
竹田 志郎 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (40710223)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 鹿肉 / 乳酸菌 / 発酵肉製品 / 保存性 / 生理活性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、野生動物による農林被害が増大しており、捕獲した野生動物肉(ジビエ)の食材利用 が強く望まれているが、鮮度や衛生的観点から保存性を向上させる食用加工法の確立が重要である。本研究では乳酸発酵が野生鹿肉の微生物・理化学的品質および生理活性に及ぼす影響について、畜肉を用いた発酵食肉製品との比較解析を行い、保存性に優れた鹿肉加工製品の作出およびその生理活性機能に寄与する成分の検討を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では野生鹿肉を題材として、乳酸発酵が野生動物肉(ジビエ)の微生物・理化学的特性および生理活性に及ぼす影響について、畜肉を用いた発酵食肉製品との比較解析を行い、保存性に優れた鹿肉加工製品の作出およびその生理活性機能に寄与する成分の解明を行うことを目的としている。 令和3年度に鹿肉の発酵において乳酸発酵性とACE阻害活性および抗酸化活性の発現に貢献するスターター菌株としてLatilactobacillus sakei No.23株(以下、No.23株と記す)を認めた。令和4年度はNo.23株を使用した発酵鹿肉製品の作出と製品品質(理化学的ならびに微生物学的特性)への影響について検討を行った。 過去の文献に記された条件を参考に、恒温恒湿機を使用して、製品の発酵および乾燥条件について検討を行った。スターターとしてNo.23株添加後のpHおよび水分活性値の推移を調査し、本研究における発酵鹿肉製品の発酵と乾燥条件を設定した。No.23株を添加していない製品(無添加区)と比較して、No.23株添加した製品は有意なpHの低下と乳酸菌数の増加が見られた。また無添加区に比べて水分含量および水分活性が有意に低い値を示し、剪断力価が高い値を示した。衛生管理の指標として継時的に大腸菌群を調べたところ、製品作製期間中において検査培地で陽性細菌を検出することはなかった。従って、衛生的な発酵鹿肉製品を作製できたと考えている。現在、製品の嗜好性の指標として「うま味成分」である遊離アミノ酸やイノシン酸について検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は選抜した乳酸菌株を使用した乳酸発酵鹿肉製品の作製と製品特性の評価を行っていく予定であり、それに準じて研究を進めた。しかし、発酵鹿肉製品の作製条件の予備検討に予定よりも時間を費やしたため、No.23株で調製した発酵鹿肉製品の品質について十分な検討が遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
No.23株のスターター菌株としての有用性について検討するため、標準菌株でも同様に発酵鹿肉製品を作成し、各試験結果との比較を行う。最終年度は、No.23株を使用した発酵鹿肉製品の保存性についての検討を中心に研究を遂行する予定である。具体的には、No.23株を使用した発酵鹿肉製品、標準菌株を使用した発酵鹿肉製品および無添加区の製品を強制劣化試験に供試、各製品の微生物増殖度合について評価を行う。
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