研究課題/領域番号 |
21K02139
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
|
研究機関 | 白梅学園大学 |
研究代表者 |
庭野 晃子 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (40624929)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 保育従事者 / 就業継続意向 / 離職意向 / キャリア / 組織コミットメント / 上司との関係 / 園長の仕事姿勢 / 働き方 / 雇用形態 / 両立支援 / 定着率 / 就業継続 / 柔軟な勤務体制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では保育従事者の多角的なアンケート調査を通じ、どのような勤務体制と両立支援が保育従事者の就労継続に繋がるかを明らかにしていく。 以下、研究の実施計画をたてた。 ■令和3年4月~12月(9ヶ月)文献資料研究および社会調査(質的調査)の実施と分析 ■令和4年1月~令和6年3月(39ヶ月)社会調査(計量的調査)の実施と分析 ■令和6年4月~7年3月(12ヶ月)保育事業者に向けた研修プログラムの開発 上記の計画を実施することにより、保育現場の人手不足の解消と保育の質の向上に役立てる。
|
研究実績の概要 |
今年度の研究成果は、以下の通りである。研究目的は、保育従事者の就業継続を高める要因を見出し、定着率の向上のための対策を提案することである。 ・「保育従事者の組織コミットメント 職員が定着する魅力ある職場とは」 組織コミットメントという指標を用い、保育従事者の組織コミットメントを規定する要因を明らかにした。分析の結果、「話しやすい雰囲気」「職員相互の助け合い」「園長の仕事姿勢に対する共感度」が有意に影響していた。 ・「保育従事者の就業継続意向に関する実証分析 キャリアの観点から」 キャリア別(新任期・中堅期・ベテラン期)に就業継続意向の規定要因を明らかにした。分析の結果「仕事達成感」「上司との関係」はすべてのキャリアで、「仕事と家庭の調和」は中堅期・ベテラン期で有意に関連していた。いずれの研究においても職員の定着率を安定化させるための対策を提案した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究は、保育従事者が就労継続しやすい職場の勤務体制および仕事と家庭の両立支援について明らかにし、保育事業者に向けた離職防止のための研修プログ ラムを開発することを目的として次の3つの調査を行った。第1は、保育従事者における「就労継続しやすい勤務体制」と「仕事と家庭を両立するために必要な支援」について明らかにする。第2は、雇用形態別に保育従事者の就労継続の規定要因を明らかにし、第3は、キャリア別に保育従事者の就労継続の規定要因を明らかにし、雇用形態別、キャリア別に就労継続に必要な職場の勤務体制と両立支援を見出す。 2022年度までに上記の3つの調査を行い研究論文としてまとめた。 キャリア別(新任・中堅・ベテラン)に就業継続意向の規定要因を分析したところ、すべてのキャリアに共通していた要因は「上司との関係」であった。また中堅期は「仕事と家庭の調和」がとれているほど就業継続意向が高い傾向にあることから、両立支援制度を利用しやすくする工夫が重要であり、ベテラン期は「昇進昇格制度満足感」が得られるシステムを整備することが重要だとわかった。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究から、保育従事者の就業継続において「上司との関係」が影響し、とくに「園長」との関係が重要であることが分かった。このことを踏まえ、今後は「保育従事者は、園長のどのような仕事姿勢に共感するか」について質的な方法を用いて分析する。
|