研究課題/領域番号 |
21K02166
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
|
研究機関 | 青山学院大学 (2023) 一橋大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
木村 元 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 学部特任教授 (60225050)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 日本の学校 / 学校から仕事への移行 / ケア / 時期区分 / 地域社会 / 教育実践 / 教育制度の社会史 / 生活教育 / 教育科学 / ペダゴジー / 学校の境界線 / 境界線 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1930年代に勃興する生活教育のなかでも教育科学の影響を受けた教育を対象に、教育とケアの葛藤に注目するものである。教育の営為が「制作」と「過程」という枠組で総括されてきたこれまでの研究の到達点を押さえながら、その前提にある教育と生活(ケア)という枠組を加えて考察する。その際、生活教育論争に集約されてきた研究のスパンを延ばし、戦後の展開も含めた1930~50年代が戦争をまたぐ非連続性を認めながらも一つの連続した時期であると把握して、社会史的な視野を持ってアプローチする。これらの取り組みは、大きな社会変動にある現代社会の教育問題を歴史的に対象化する教育史像の構築をはかる作業の一環である。
|
研究実績の概要 |
・日本の「学校から仕事への移行」に注目した1930~50年代にかけての学校(特に実践)と社会に関する基本資料について、これまで収集した関連資料も含めて整理・検討し該当する時期を全体の中で位置づける作業を行った。これにともなってこれまで収集した資料や情報の再整理も含めた包括的な作業を実施した。その一環として、クレス出版より、この時期の「学校から仕事への移行」を支えた母体ともいえる日本の学校の制度的基盤や性格を押さえる基本資料を掲載した資料集第2期を監修/編集(解説)者として刊行した。学校と社会との関係の実態や「学校から仕事への移行」という課題がその中にどのように埋め込まれていたかを検討するものである。1950年代の教育とケアをめぐる諸問題の制度的な背景ならびに教育実践の諸相を検討する資料集ともなっている。 ・戦後の教育実践を代表する無着成恭氏の歩みを押さえながら1950年代の教育実践の位置づけを行った。 ・中央教育審議会初等中等教育分科会において、本研究を踏まえた日本の義務教育(制度)のシステムの特徴について報告を行った。 ・コミュニティの視点を加え教育実践の基盤を検討し、人口動態も含めて、教育実践に与える地域の影響を歴史的に検討した。地域社会がどのような課題を持つかで学校と社会相互の意味と位置づけが変わっていく実相を捉えるべく、時期区分論も意識した基礎作業でもあった。1990年代以降に顕著になっている人類史的ともいえる社会変動の顕在化が教育に与える影響を1930年代の社会と教育の課題との対比でおさえることで、社会変動の類型論を踏まえた教育史の時期区分論をつくるための作業の一環でもある。この作業はケアと教育の関係論も視野に入れたものであり、研究成果の一部を含めて飯田市歴史研究所の研究集会で講演という形で報告を行った。
|