研究課題/領域番号 |
21K02169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大日方 真史 三重大学, 教育学部, 准教授 (00712613)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 公教育としての学校教育 / 保護者の共通関心 / ハンナ・アレント / 共通感覚 / 保護者 / 私的関心 / 共通関心 / 外国にルーツをもつ子ども / 特別支援学級 / 保護者参加 / 学校参加 / 学級通信 / 教育実践 / 教室 / 教育学 / 教師 |
研究開始時の研究の概要 |
保護者の私的関心の排他性の問題は、保護者の学校参加の追求において不可避の論点となっている。この問題に対して、研究代表者はこれまでの研究において、「教室の事実」を保護者に示すという教師の働きかけによって、保護者において、教室の子どもたちに向ける「共通関心」が形成されうることを明らかにしてきている。本研究は、この成果をさらに発展させ、学校参加に向けた保護者の意識変容(「共通関心」形成)を促す教育実践の条件を明らかにすることを試みるものである。
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研究実績の概要 |
公教育としての学校教育の成立が保護者との関係において困難になっている状況をとらえつつ、研究代表者のこれまでの研究を通じて明らかになっている、保護者の意識において「共通関心」と呼びうるものが形成されうるという事実に改めて着目し、教師の教育実践を通じて保護者の学校参加の条件を形成して公教育の展望をひらく可能性を探った。 研究代表者のこれまでの研究では、教室の子どもたちや出来事へと向けられる「共通関心」が、教師の作成・発行する学級通信を読んできた保護者において形成される経緯や条件が明らかになっている。当該年度はそれをふまえ、保護者における「共通関心」形成までの経過は、何によっていかに媒介されているのかを追求した。追求にあたっては、政治思想家ハンナ・アレントの「共通感覚」論を参照し、アレントの「仕事」、「芸術作品」、「判断」、「活動」、「共通感覚」などといった諸概念とそれらの間の連関をもとに、保護者の意識変容の相へアプローチし、保護者はなぜわが子以外の子どもへも関心を向けうるのかを探った。 焦点をあてたのは、教師による「仕事(work)」としての学級通信作成、「芸術作品」としての学級通信、教師・保護者間の「共通感覚」、子どもの「活動」を記録する教師の「仕事」といった諸点である。 追求の成果として、アレントの「共通感覚」論から保護者における「共通関心」形成の相を整合的に解釈しうること、公教育の展望における保護者によるイニシアチブの意義、教師が子どもの「活動」を記録する「物語」の意義等が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一定の成果をまとめて論文を公表できたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を統合しつつ、補足的な調査を進め、保護者の学校参加の条件となる教育実践に関する総合的な考察をなす。
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