研究課題/領域番号 |
21K02174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
國崎 大恩 福井県立大学, 学術教養センター, 准教授 (90756313)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 教師の発達的変容 / 関係論的視座 / プラグマティズム / デューイ思想 / 初任段階での躓きや困難 / 教育的合理性 / 関係論的存在論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、学生や教師たちによる教育実践とその振り返りを関係論的視座から記述・分析し、①学生・教師を取りまく学校内外での多層的な関係性がどのように教育実践と関係づけられ、その関係づけによって個人だけでなく学級・学校がいかに変容し発達していくのかを明らかにするとともに、②その変容のあり方が養成段階と初任段階との間でどのように異なるのかを明らかにする。 本研究を通して、教師の初任段階での躓き等が何に起因するのかを示すとともに、個々の「教育的現実」が成立するダイナミズムを明るみに出す関係論的視座にたった教育実践とその振り返りを記述・分析するための方法論を確立することをめざす。
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研究実績の概要 |
2022年度は、教育実習を終えた大学3年生~初任段階の教師年目まで)を対象として、授業や学級経営等に関する教師効力感(教師としてどの程度できるのかという自己認識)と学生・教師がもつ教育観や信念等に関する質問紙調査の内容を確定した。また、教育実践とその振り返りに関するフィールドワーク及びインタビュー調査を行うことによって、学校内外の多様な関係性が教育実践や振り返りの言説の中でいかに関係づけられているのかについての基礎的データを収集した。またそれらの基礎的データを分析することにより、今後のフィールドワークや質問紙調査において追加すべき項目等を明らかにした。 成果の一部は、①日本教育学会第81回大会ラウンドテーブルの「データ駆動型教育をめぐる議論の土壌と教育学研究のこれから」において、また②教育思想史学会第32回大会シンポジウムの「メディアの“厚み”を取り戻す―GIGAスクールの時代の教育可能性を教育思想史研究から問う―」において活用した。 ①の発表においては、データ駆動型教育において教育学研究や教育実践が直面することになる構造的課題を明らかにし、その課題を乗り越えるための方途として「差異の関係の転置による概念創造」を提唱した。「差異の関係の転置による概念創造」とは関係論的視座から教育実践を捉える理論モデルであり、本研究がその構築を目指す教師の発達的変容に関する理論モデルの基礎となるものである。 ②の発表においては、教育思想史研究のコンテクストにGIGAスクールの諸実践を位置づけることにより、GIGAスクール構想の可能性と限界を明らかにし、GIGAスクール時代の教育可能性は「子供たちによる神話学」という実践に賭けられていることを指摘した。「子供たちによる神話学」という実践は、教師の発達的変容に関する理論モデルの実践的側面を記述したものと構造的に一致すると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、研究開始にあたる2021年度のフィールドワーク開始が遅れたため、全体として進捗状況はやや遅れている状況にある。ただし、残りの研究期間を考えた場合、深刻な研究の遅れとまでは言えないため「やや遅れている」の判断とした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はフィールドワークや質問紙調査の分析をすすめるとともに、それらをもとに教師の発達的変容に関する理論モデルを構築する。また、学会発表や論文として積極的に成果を公表するとともに、海外の研究者と意見交換をおこなうことで、研究の遅れを取り戻す。
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