研究課題/領域番号 |
21K02182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 名古屋産業大学 |
研究代表者 |
丸岡 稔典 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 特任講師 (20455380)
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研究分担者 |
松下 奈美子 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (00743642)
水谷 明弘 鈴鹿大学, こども教育学部, 教授 (00884537)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 潜在的態度 / 介護等体験 / 社会福祉施設 / 特別支援学校 / 知的障害者 / 障害者 / 社会モデル / 障害者理解 |
研究開始時の研究の概要 |
介護等体験が学生に与える教育校効果の検証はいまだ不十分であり、体験プログラムの受け入れ側に一任されている現状が続いている。 そこで本研究では、1)心理学的視点からの介護等体験が与える教育効果の検証、2)社会学、社会福祉学視点からの介護等体験の実態把握と体験プログラム課題の明確化、をおこない、学生・受け入れ施設や学校、教職課程を有する大学の3者にとって効果的な介護等体験プログラムの提案をおこなうことで、障害者理解の促進と教職養成課程の充実に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では、小学校及び中学校の教諭の養成の一環として実施されている介護等体験に着目し、その実施状況を把握し、また介護等体験が学生の障害者や高齢者への理解に与える教育効果を検証する。これらの結果をもとに障害者や高齢者への理解の促進に効果的な介護等体験の実施方法を提案することを目的とする。 まず、介護等体験の実施状況を把握するためにこれまでに実施してきた介護等体験を受け入れている社会福祉施設ならびに学生を送り出す大学への調査の結果を再分析した。結果、施設への調査の分析の結果、1)介護等体験は多くの施設職員に肯定的に評価されていること、2)介護等体験は施設の地域化や利用者の社会経験の機会提供という効果をもたらしていること、3)他の種類の施設と比べて児童関係施設や知的障害児・者関係施設でデメリットやトラブルが多く指摘されてことが明らかとなった。また、大学への調査の分析の結果、事前指導は全ての大学で実施されており、その中で、介護等体験の意義や目的に触れられているものの、学生の実習に対する意識の低さや準備不足がトラブルとして指摘されており、事前指導だけでは一部の学生の実習への意欲を十分に喚起できていないことが明らかとなった。 次に、介護等体験に参加した学生ならびに一般学生を対象として、潜在連合テスト(パソコンによるIATテスト、FUMIE テスト)、身体障害者に対する態度(ATDP) の調査を実施した。介護等体験に参加した学生には聞き取り調査も実施した。結果については現在分析中であるが、介護等体験前に障害者に対する潜在的態度が否定的であった学生は、介護等体験後に潜在的態度が肯定的に変化する傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症の拡大の影響により、介護等体験の実施を見送る大学があったこと、社会福祉施設や特別訪問学校への訪問や現地調査が困難であったことから、大学、社会福祉施設、特別支援学校への調査を延期し、代わりに既存の調査結果の分析を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
介護等体験が学生の障害者や高齢者への理解に与える効果の検証をする上で、学生の属性や大学の教育環境などの影響を検討するために、対象を複数の大学とそのの学生に拡大して調査を実施する。複数の大学の学生の介護等体験前後の障害者観の変化を、顕在的態度を測定するFUMIE テストなどにより定量的に評価し、あわせて聞き取り調査などにより定性的に評価する。併せて、大学における事前事後指導の状況を聞き取り調査などをもとに把握し、事前事後指導と学生の障害者観の変化の関係を分析する。 また、コロナウイルス感染症の影響がひと段落したことから、社会福祉施設ならびに特別支援学校への質問紙調査並びに聞き取り調査を実施する。
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