研究課題/領域番号 |
21K02189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
石田 雅樹 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (10626914)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ジョン・デューイ / ハンナ・アーレント / ウォルター・リップマン / メディア・リテラシー / デモクラシー / 全体主義 / ロバート・M・ハッチンズ / アメリカ高等教育 / 進歩主義教育 / リップマン=デューイ論争 / デモクラシーと教育 / アメリカニズム / 社会主義 / 効率と公正 / 主権者教育 / 市民性教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アメリカの教育哲学者ジョン・デューイ(John Dewey)を対象とし、その「デモクラシーと教育」の理念と現実を批判的に検証するものである。一方では政治学の視点からデューイ「デモクラシー」論の意義と限界を辿り、他方では教育学の視点から、それがアメリカ「教育」制度とどのような関係にあったかを解き明かすことで、デューイが20世紀の「デモクラシーと教育」においてどのような意義を有するかを明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
本年度は最終年度として三つの研究課題に取り組んだ。第一に、ジョン・デューイとウォルター・リップマンとのあいだで生じたとされる「リップマン=デューイ論争」をメディア・リテラシーの視点から再考し、これまでとは異なる思想的見取図を提示した。その研究成果としては、査読論文「デモクラシーとメディアの関係をどう読み解くべきか : メディア・リテラシー論としての「リップマン=デューイ論争」(『年報政治学』2023年(2))として公開された。第二に、アメリカ教育行政の刷新におけるデューイの位置づけについて、昨年度から引き続き検討を行った。この点について、論稿「ジョン・デューイにおける教育と行政--社会的効率性とデモクラシーの視点から」を執筆し、『日本デューイ学会』第65号に投稿した(現在査読中)。第三に、全体主義に対峙するデューイの教育論とハンナ・アーレントの議論とを比較する視点から、アーレントの政治教育論の検証を行った。この点に関し、論稿「ハンナ・アーレントにおける「教育的なるもの」(『宮城教育大学紀要』第58号)を作成し公開した。 本研究「ジョン・デューイ「デモクラシーと教育」の理念と現実に関する教育政治学的研究」は、3年間の研究期間(2021年~2024年)において、最終的に4回の学会発表、6本の研究論文(内、査読論文4本、依頼論文1本)となる研究成果を挙げた。本研究ではデューイの「デモクラシーと教育」について、アメリカ高等教育、デモクラシーと全体主義、教育行政論、メディア・リテラシーという論点に焦点を当て、その現代的意義を明らかにした。その点で本研究は、これまでのデューイ研究を批判的に継承し、教育学と政治学を横断する視点から問い直すことで一定の研究成果を示した。時間的・資金的制約もあり、まだ未完の問題も遺されているが、それについては今後の研究課題としたい。
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