研究課題/領域番号 |
21K02192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
渡辺 貴裕 東京学芸大学, 教育学研究科, 准教授 (50410444)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 演劇的手法 / ドラマ教育 / 道徳教育 / 演劇教育 / パフォーマンス / 学びの空間研究会 |
研究開始時の研究の概要 |
演劇的手法を用いた学習はしばしば「教師主導」という批判を受けるが、それを、教師による一方的な教え込みと同一視するのは早計である。むしろ、教師による働きかけは、子どもたちが架空の状況の中でより創造性を発揮したりより深く思考したりすることにつながるものであり、その経験を通して子どもたちは、自律的にこうした学び方を活用できるようにもなっていく。本研究では、そうした教師の働きかけによる触発や自律的な学び方への転化について、文献調査およびフィールド調査を用いて明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、実践研究の基盤として、自身が主宰する「学びの空間研究会」の例会を、関東で1回、関西で2回の計3回開催した。また、川崎市、茅ヶ崎市、吹田市の公立学校、京都市や守山市の私立学校と連携して、演劇的手法をテーマにした授業研究を行った。それらを通して、以下のような研究を進めてきた。 まず、道徳科における演劇的手法の扱われ方に関して、市販の教育書を中心に調査を行い、教材作成者が想定する道徳的価値やそこに到る筋道をもっぱらなぞる方向での活用が考えられていることを明らかにした。そして、それとは異なる、身体感覚を働かせることでそうした価値や筋道を問い直す方向の可能性を、演劇人や教師との協働によって示した。 また、国語科におけるミステリー教材を取りあげ、謎解きを知る前と知った後での読みのスタンスの違いといった特性と演劇的手法とのかかわりや、そこでドラマチック・アイロニーが果たしうる役割などについて、これも演劇人や教師との協働を通して検討した。 これらの研究は、前年度までに行ってきた、教師の主導性と学習者の自律性に関する検討の領域を拡大することになった。3年間を通して、学習者に対する押しつけとは異なるかたちでの教師の働きかけや、学習者が自身の思い込みからも離れながら創造性を発揮していけるようにするための条件整備とそこでの教師の役割について、知見を蓄積することができた。 これらの成果の一部は、2023年11月の「札幌演劇シーズン」の講座やその事業報告書を通しても還元・共有した。
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