研究課題/領域番号 |
21K02216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河野 明日香 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (10534026)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会教育 / 中央アジア / ポストコロナ社会 / 比較研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ウズベキスタン、インドネシア、英国、ブラジルの社会教育の歴史的変遷と理論を把捉、明示し、対象国内の格差是正の具体的事例を中心に社会教育実践を調査し、各国の包摂の取組みを描写する。その結果を分析し、対象国間の比較を行い、社会教育実践での格差是正と包摂の取組みの特質・共通点、実践知を抽出する。さらに、4カ国で展開されている格差是正・包摂実践を事例に、各国の社会教育理論、実践知の国際的援用について検討する。最終的に、ポストコロナ社会における格差是正・包摂を可能にする社会教育プラットフォーム構築の枠組みと方法を解明し、その理論化を行うとともに、社会実装に向けたさらなる発展を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究では、ウズベキスタン、インドネシア、英国、ブラジルといった諸外国の社会教育の歴史的変遷、理論を整理し、対象国内の格差是正の具体的事例に関わる社会教育実践を調査し、各国の包摂の取組みを描き出すことを目的としている。さらに、調査結果を分析し、対象国間の比較を行い、社会教育実践での格差是正と包摂の取組みの特質・共通点、実践知について考察することを目指している。2022年度は、ウズベキスタンの社会教育概念、理論及び実践の現況把握のため、資料収集、分析と聞取り調査を実施することを計画していたが、新型コロナウイルスの影響により、海外渡航を見合わせたため、現地での調査や資料収集を行うことができなかった。その一方で、オンラインなどを活用し、ウズベキスタンの研究者との意見交換や情報交換を行い、現在のウズベキスタンにおけるウィズ/ポストコロナ社会の状況、社会教育プラットフォームの現状について情報収集、資料収集を実施した。それにより、現在はコロナ前の実践が復活してきていること、コロナ禍において活用されていたオンラインツールを用いた教育が継続されている点もあることを把握した。ウズベキスタンではポストコロナ社会への移行が進展しているが、そのなかで従来の形であるリアルな社会教育、生涯学習への再考もなされていることがわかった。次年度以降は新型コロナウイルスの影響も今年度と比較して緩和されていくと考えられるため、対象国の状況を注視しながら現地調査を進めていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ウズベキスタンなどの対象国における現地調査対象機関及び調査対象者との調整に時間を要し、オンラインではできない対面必須の聞き取り調査が実施できなかったため。また、インターネットからは入手ができない現地資料、教科書、教材などの収集が進んでいないため。 ウズベキスタンの研究者との意見交換や情報交換では、現在のウズベキスタンではコロナ前の実践が復活してきていること、コロナ禍において活用されていたオンラインツールを用いた教育が継続されている点などが把握できたが、どのような形でコロナ前のような教育実践が行われているのか、どのようにコロナ禍から現在の形に移行したのかという点や、オンラインツールを利用した教育とはどのように行われており、学習者の学習の様子や学習の成果、評価、感想はどういったものかを掴むことは困難であった。現地調査をもとにした実際の学習の実態の把握、分析を実施することができていないため、次年度以降はこれらの点を補強する調査を実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象国の状況を踏まえ、現地調査の準備を進め、調査を実施する。また、継続してオンラインや訪日する研究者との情報交換などの機会を活用し情報収集、資料収集を行う。特に、前述の通り、どのような形でコロナ前のような教育実践が行われているのか、どのようにコロナ禍から現在の形に移行したのか、オンラインツールの継続利用はどのように行われているのか、学習者の学習の成果や学習者個々の評価はどのようになっているのか、学習者の受け止めはどういったものか、など学習の実態を捉えることができていないため、次年度以降の現地調査では学習を準備提供する側だけでなく、実際の学習者に焦点を当てた実態把握が必要である。また、コロナ禍から現在までオンラインやデジタルツールを活用した教育が推進されているなかでデジタル格差も生じており、各国はこれらの問題に対しどのような解決策を講じているのかの分析も重要である。これらの調査を通じて、ポストコロナ社会における格差是正・包摂の実態と社会教育プラットフォーム構築の考察を行う予定である。
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