研究課題/領域番号 |
21K02225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
鈴木 貴史 帝京科学大学, 教職センター, 准教授 (10588809)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 作文 / 教育史 / 国語 / 小学校 / 国語教育 / 説明的文章 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、論理的思考力の育成が求められる現代の社会において、国語科「書くこと」の説明的文章作成に関する指導が進展していかない背景を歴史的に探ることを目的とする。 説明的文章が重視されない背景には、小中学校において生活文や創作文の指導が重視される現状があり、指導理論においては文章構成、文法などの「形式」に関する指導が重要視されない状況がみられる。そのため、本研究では、「形式」に関する指導としての①「読むこと」から得られる文体、表現の獲得との関連、②学校文法の成立過程と文章作成指導との関連について従来の国語教育とは異なる日本語教育の知見に依拠して考察を試みる。
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研究実績の概要 |
今年度は計画段階で、自由主義作文理論の発展とその課題についての考察を試みることを予定していた。おもに大正期における「随意選題論争」、戦中戦後における「生活綴方論争」などについて、先行研究の知見を概観し、「読むこと」と文章作成指導がいかにして分離していくのかについて分析する計画であった。 しかしながら、前年度における明治10年代までの範文模倣期の分析が不十分であったことから、その継続と明治30年代以降の状況についての基礎的文献の調査を行った。 具体的に一つめの明治10年代の状況については、明治12年の教育令以降の作文教育の変化について文献調査を行った。ここでは先行研究でみられる範文模倣から自由作文が提案された時期であったことが確認された。とりわけ明治16年の『改正教授術』以降明治20年代にかけて作文によって児童生徒の自由な意見を表出していくという教育観が醸成されていたことを確認することができた。 二つめの30年代以降の状況については、樋口勘次郎の作文教育論を中心に随意選題作文が登場した背景とその理論について検討することを試みた。また、樋口の影響を大きく受けたと思われる芦田恵之助の作文教育理論についても基礎調査を行うことができた。加えて、芦田を中心とした高等師範学校および附属小関係者の作文教育理論やその実践についても調査を行うことができている。 今年度は、2つの作業を同時並行で行ったことから研究成果として公表するには至っていないが、次年度以降にこれらを発展させる土台を築くことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述に記載の通り、今年度は計画段階で、明治30年代における自由主義作文理論の発展とその課題についての考察を試みることを予定していた。 しかしながら、前年度における明治10年代までの範文模倣期の分析が不十分であったことから、その継続と明治30年代以降の状況についての基礎的文献の調査を同時並行で行うことになった。こうした事情から1つの作業に十分な時間を割くことができなかったことから当初の計画より研究が遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に2つの時代の作文教育について基礎的な文献調査を行うことができた。今年度は、2つの作業を同時並行で行ったことから研究成果として公表するには至っていないが、次年度以降にこれらを発展させる土台を築くことができている。そのため、次年度については、複数の研究成果を公表できると思われる。
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