研究課題/領域番号 |
21K02229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
中村 恵 畿央大学, 教育学部, 教授 (90516452)
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研究分担者 |
小柳 和喜雄 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00225591)
古川 恵美 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20636732)
塚田 義典 摂南大学, 経営学部, 准教授 (50622643)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アセスメント / リフレクション / ダイアローグ / 共主体 / ドキュメンテーション / エージェンシー / オープン・ダイアローグ / フィンランド / タブレット / ウェブアプリ / ネウボラ / 多元的評価 / 保育のプロセス / アウトカム / ナラティブアセスメント |
研究開始時の研究の概要 |
保育プロセスとアウトカム(成果)という質の二次的側面に目を向けるために,「参加」と「ダイアローグ(対話と共有)」が重要視され,社会・教育システムにおいて有機的に機能しているフィンランドモデルのダイアローグの手法や位置づけを詳細化し,日本版ダイアローグとして対話と共有が機能して記述に評価が絡み合うナラティブ・アセスメントへと拡張する.そして,子どもや保育者,保護者らが互いに学び合う共主体としてカリキュラムマネジメントに参画する多元的アセスメントモデルをデザインするために,当事者が評価に参画できる形成的評価システムをICTを活用して構築し,運用評価を通じて必要な要件や環境を明らかにする.
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研究実績の概要 |
日本では保育プロセスとアウトカム(成果)という質の一次的側面について,従来から観察と記録に基づいた記述を通して子ども理解を評価につなげてきたため,二次的側面への意識は薄かった.二次的側面に目を向けるためには,子どもとそこに関わる保育者や保護者等が相互に行為主体性を発揮していくことが不可欠である.フィンランドでは,福祉や教育など様々な場面で「参加」と「ダイアローグ(対話と共有)」が重要視され,社会・教育システムにおいて有機的に機能している.そこで,フィンランドモデルのダイアローグの手法や位置づけを詳細化し,日本版ダイアローグとして対話と共有が機能することにより,記述に評価が絡み合うナラティブ・アセスメントへと拡張する.そして,子どもや保育者,保護者らが様々な環境に主体的に関わる過程で,互いに学び合う共主体としてカリキュラムマネジメントに参画する多元的アセスメントモデルを開発する.具体的には,保育の当事者が評価に参画できる形成的評価システムをICTを活用して構築し,運用評価を通じて,多元的アセスメントモデルの開発を行い,必要な要件や環境を明らかにする. 具体的には,ナラティブ・アセスメントとダイアローグのフェーズにおいて活用できるWebアプリを開発した.ICTを活用することにより子どもや保護者が保育者と共に参画できる形成的評価システムが可能となった. 次に,日本版ダイアローグのガイドラインを用いた実践を協力園で行い,保育者への半構造化インタビューを実施することにより,多元的アセスメントモデルの要件や環境が明らかになりつつある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多元的アセスメントのためのWebアプリが完成したことにより,保育現場での検証を行うことができた.保育者への半構造化インタビューにおいては,実際に,ドキュメンテーションの作成にあたり,子どもの興味や関心を可視化し,学びの芽生えのプロセスを共有することにつながった事例が挙げられるなど,保育現場での検証を進めることができている. ナラティブアセスメントの方法については,代表者が新型コロナウィルスに感染したことにより,ニュージーランドでの調査が実施できなかったが,共同研究者とのオンライン会議システムを用いたミーティング等により,情報の共有はできた.そのため,アセスメントの方法についても新たなデザインを加えることができた.
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今後の研究の推進方策 |
Webアプリが完成したことにより,さらに保育現場での検証を進め,アプリやシステムに蓄積されたデータが,本研究の目的に対してどのような意味ある情報として機能するか,データ利用の可能性をより俯瞰的に情報間の関係づけを分析評価していくため,当事者以外に第3者の研究者や保育者の協力を得て,定量的定性的に分析評価していきたい. そして,以上の成果を国際学会等で発表し,広く周知していく.
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