研究課題/領域番号 |
21K02240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡 幸江 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50294856)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 社会教育士 / 職能団体 / スコットランド / 地域教育 / Community Development / 実践的価値 / Informal教育 / 専門職団体 / CLD / Value / 実践のストーリー / 地域社会教育 / Informal Education / スコットランドCLD / ポストコロナ / conversation / Informal Education / 日常生活 / 関係性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、組織化を伴う地域の集団に教育基盤を想定してきた社会教育に、日常生活の関係性のなかで生活主体を育む教育としてのインフォーマル教育の視座を導入していくための、実証的な基礎作業を行おうとするものである。その際、学習者の生活世界に基づくconversationベースの教育を志向してきた英国Informal教育論および、その延長上におけるスコットランドCLD(地域教育)生成の動態を参照する。また日本の社会教育制度内外の地域実践において、ポストコロナ下にいかなる自己教育空間が生成し、そこに教育的関与が行われているかの実態について検討する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、本研究の大きな軸であり、この間コロナ禍のため控えていた海外調査およびその報告会が実現し、本研究として進展の年となった。 すでに2022年度より、研究室の博士課程院生3名と研究チームをくみ、月1回、スコットランドCLD(Community Learning and Development)に関するオンラインの研究会を持続的に組織し、調査事前学習および具体的な調査計画作成を行ってきた。また2023年度に入ってからは、全員と常日頃より研究交流を行っている外部研究者の上野氏、そして調査地現地に訪問研究員として滞在している阿比留氏と、最終段階で複数回のやり取りを行った。両氏とは現地で共同調査の一員に加わっていただくとともに、調査段階においても情報提供や折々のコメントで大変な協力を頂いた。 スコットランド・エディンバラには2023年9月に8日間の行程で滞在した。代表者の2019年の訪問研究員期間に交流を深めたエディンバラ大学Ian教授およびStuart教授のレクチャーや研究協議のほか、Citadel youth CentreのRyan氏やIan夫妻の様々なコーディネート、そして新たにアポイントをとった実践含め、6か所の職能団体および実践への訪問調査を行った。代表者の訪問研究時代のかかわりの蓄積および現地滞在中の阿比留氏の存在もあり、単に訪問調査だけではなく、その他の時間の現地実践者との交流もふんだんにあり、有機的構造的に現地にふれる調査となった。 帰国後1月20日に、社会教育士ネットワーク九州および社会教育主事講習OBに呼びかけ、調査報告会を対面(九州大学会場)・オンライン併用方式で行った。現地調査と本研究の社会教育士の未来への関心がクロスする重要な場が実現した。また3月2日には関連研究会である法政大学平塚科研研究会でも2名で報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スコットランド調査については本研究として当初より重要部分として位置付けてきたが、共同調査が実現したこと自体にまず意味があると同時に、この調査にかかわっていただく日本人研究者の広がり、また現地関係者とのネットワークの広がりが想像以上のものとなった。スコットランド地域教育の特徴にもかかわるEquityやSocial Justice、あるいは自立性がどこからくるのか、一方、多くの知見を得ながら滞在中の日常的な議論や、渡航のトランジット時間を生かした集中議論は実り多いものであった。 また当初より意識していた、次世代研究者育成の場としても大きな意味を持った。とくに欧州調査については3名の院生参加者全員が初体験であったが、本研究の過程で自身で調査計画をたてアポイントをとることから研究的実践を行っていった。また現地の方々との人間的交流によって土地に触れる調査の面白みも味わえる機会となった。参加者の中には明確に、自身での近い将来におけるスコットランドを候補地に含む海外研究を意識し始めた者もでてきた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の成果を生かし、2024年度には報告書としてのまとめを中心的な事業として計画している。すでに2023年1月の報告会の報告資料は存在するが、訪問時に得た基礎データ、報告会での質疑応答も重要な資料であり、それらを統合的に扱うまとめとしたい。 またともにエディンバラ大学で訪問研究員を行った阿比留氏とは継続的なオンライン研究会を持続し、今後の展開を模索している。および本研究の発展として2025年度以降の科研費への応募の準備をすすめたい。
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