研究課題/領域番号 |
21K02257
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松本 大 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (50550175)
|
研究分担者 |
安藤 耕己 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (30375448)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 地域づくり / 社会教育 / 成人教育 / ナラティヴ学習 / バイオグラフィー / 地元学 / ライフストーリー / 共同性 / 後継者育成 / 参加 / エージェンシー / 後継者 / 持続可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「後継者」自身がいかに地域づくりを引き受け再生産していくのかという、当事者の立場にたった分析を行う。従来の社会教育研究では、地域づくりにおける世代を超えた継承・再生産という時間的観点や後継者の学習は十分に検討されてきていない。本研究は、過疎農山村を対象として、実際の「後継者」へのライフストーリー・インタビューをとおして、地域で生きる彼らの〈生〉を描き、そこから後継者の学びのあり方を考察するものである。後継者世代への継続的なインタビュー調査をとおして、地域づくりの後継者の〈生〉と学びのあり方を集積・整理して体系的に示すことを目指す。
|
研究実績の概要 |
今年度の研究実績は以下の2点に整理できる。第一に、前年度に引き続き、地域づくりにおいて後継者がエージェンシーを達成するための学習論的条件について理論的に整理した。具体的には、地域づくり実践において作用しているナラティヴ学習に注目した。地域社会のバイオグラフィーを学ぶことが住民のエージェンシーと結びつくことを明らかにした。地域社会には重層的な課題や矛盾が存在するため、地域社会のバイオグラフィーを学習することには不安定さが伴う。しかしその共同的な試行錯誤の学習の過程にこそ、人々のエージェンシーや社会関係が創発される契機があることを提起した。この研究成果を、Matsumoto, D. (2024). Reconstruire la communalite(') par l’apprentissage narratif: L’e(')ducation sociale et le de(')veloppement communautaire au Japon. In Suemoto, M., Morioka, M., & Breton, H. (Eds.), Histoires de vie en formation et clinique narrative au Japon: E(')mergence, de(')ploiement, mutation (pp. 95-110). Paris: L'Harmattan.として公表した。 第二に、当該テーマに関連して今年度は国際的な研究ネットワークの構築を進めることができた。特にナラティヴやライフストーリーと成人教育に関する理論的な整理については、フランス・トゥール大学のエルヴェ・ブレトン教授を中心とした学術的な交流が広がった。。7月にはトゥール大学主催の国際ウェビナーにて、「Rebuilding the community through narrative learning: Social education and community development in Japan」と題して口頭発表するとともに、10月にはエルヴェ教授を東北大学に招待し国際的なセミナーを開催することができた。なお10月のセミナーでは、本科研の研究分担者である山形大学安藤耕己教授がコメンテーターを担当した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論的研究については国際的に成果発表できているが、実地調査の進捗状況が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き理論的な研究は進めつつも実地調査に基づく実証研究を進めていく。調査については、対象を宮城県内に絞り計画的に実施する。
|