研究課題/領域番号 |
21K02262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
伊藤 敏子 三重大学, 教育学部, 教授 (20269129)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 社会への開かれ / ドイツ / 新教育運動 / 体験教育学 / 公共 / 公共の意識化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、新教育運動の一環として「一市民として責任を担いうる次世代を育成すること」を目指して展開された体験教育学の構想と実践を検証することで、「選挙権を持つ市民として社会の運営を担える人材を育成すること」を目指して2022年4月に高等学校で導入される新科目「公共」の学びをより実効性あるものにする取り組みを考察することにある。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、新教育運動の一環として「一市民として責任を担いうる次世代を育成すること」を目指して展開された体験教育学の構想と実践を検証することで、「選挙権を持つ市民として社会の運営を担える人材を育成すること」を目指して2022年4月に高等学校で新たに導入された科目「公共」の学びをより実効性あるものにする取り組みを考察することにある。 2022年度には、新教育運動の枠組みにおいて体験教育を推進したザーレム城校およびクルト・ハーン資料館における第一次資料の収集を踏まえてザーレム城校の教育に関わる構想が「社会」「公共」「責任感」に関連して呈示する帰結について、通時的・共時的検討を行うことを予定していた。しかし検討の前提であるザーレム城校およびクルト・ハーン資料館における第一次資料の収集が2021年度におけるコロナ禍における移動制限の影響を受けて実施できなかったことを受け、検討の対象をザーレム城校創立100周年となる2020年を機として新たに刊行された書籍・論文に軸足を移したうえで、ザーレム城校の教育に関わる構想が「社会」「公共」「責任感」に関連して呈示する帰結について通時的・共時的検討を行うかたちで本研究を進めた。 一方、2022年度に入ってからコロナ禍における移動制限が緩和されたことを受けて、新教育運動の資料を含む第一次資料を包括的に所蔵する教育史研究図書館(ドイツ・ベルリン)で「社会」「公共」「責任感」に関連する戦間期の教育に関わる構想および戦間期以降の教育に関わる構想についての資料を収集することで、通時的・共時的検討を行うためのベースをさらに強化することを試みた。 これに加えて2022年度に使用が開始された「公共」の12冊の教科書の内容について、「社会」「公共」「責任感」という視点から比較して考察することを試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新教育運動の枠組みにおいて体験教育を推進したザーレム城校およびクルト・ハーン資料館における第一次資料の収集を踏まえてザーレム城校の教育に関わる構想が「社会」「公共」「責任感」に関連して呈示する帰結について通時的・共時的検討を行うことを予定していたが、検討の前提であるザーレム城校およびクルト・ハーン資料館における第一次資料の収集が前年度におけるコロナ禍における移動制限の影響を受けて実施できなかったことを受け、検討の対象をザーレム城校創立100周年となる2020年を機として新たに刊行された書籍・論文に軸足を移したうえで実施し、一定の成果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍における移動制限の影響で断念した「ザーレム城校およびクルト・ハーン資料館における第一次資料の収集」の可能性を模索しつつ、本研究が目的としている「公共の意識化」という課題への取り組みの在り方を体験教育学の枠組みを土台としながら新科目「公共」を射程として明示すること、予測不可能な時代を担う世代に向けられた教育に不可欠な視点の例示を行うことをめざしたい。 一方、2022年度に試みた『公共』の教科書の分析についても引き続き実施することを予定している。
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