研究課題/領域番号 |
21K02270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 関東学院大学 (2022-2023) 江戸川大学 (2021) |
研究代表者 |
熊田 凡子 関東学院大学, 教育学部, 准教授 (80744333)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 女性宣教師 / 日系人収容所 / 保育者養成 / 進歩主義教育 / 教育活動の継続性 / 保育者の留学 / 女性宣教師の循環 / 戦前・戦後の連続性 / 教育者・保育者のまなざし / ナースリー・スクール / キリスト教教育・保育 / 教育的役割 / 教育の継続性 / 戦後教育復興 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治期以来近代日本において、アメリカプロテスタント系女性宣教師の教育活動における教育観・人間観が、日本の教育界にいかなる影響を与えたのか、昭和戦前から戦後にかけての日本における活動を通史的に明らかにする。特に、女性宣教師らが昭和戦前の米国に強制送還されるまで継続的に行ってきた教育活動と、戦後いち早く再来日し教育復興を促した営みにおける教育的意義を中心に考察する。本研究では、日本及び海外に所蔵の史料(報告書・手記・通信記録等)の調査収集と分析から実証すると共に、女性宣教師から学んだ日本人保育者の記録等にも焦点を当て、戦後日本の教育にいかなる意味をもたらしたのか実証的に考察する。
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研究実績の概要 |
2023年度は海外調査と国内調査を行い、女性宣教師の戦前・戦後の教育活動の特性と継続性及び女性宣教師に学んだ日本人保育者の教育実践の継承を実証する史料と情報を収集することができた。 2023年8月8日~17日米国ロサンゼルス研究調査:JANMロサンゼルス全日系博物館での一次史料調査、UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校図書館での一次史料調査、USC南カリフォルニア大学図書館での一次史料調査及び情報収集を行った。JANMでは戦後の日系人の動向に関する資料を、UCLAでは戦前・戦後初期の「米国南メソジスト監督教会」関連資料、USCでは米国女性宣教師に関する資料を確認した。なお、米国イリノイ州調査(NLUナショナルルイス大学、シカゴ大学)は、個人負担費用等で行い、女性宣教師に学んだ日本人保育者の留学実態に関する史料を確認した。 また国内調査においても個人費用等で行い、関西学院及び広島女学院、北陸学院の各史料館所蔵の史料―女性宣教師らが循環し日本人保育者養成に携わる継続性や日本人保育者の留学斡旋等に関する資料や情報―を確認した。 以上、これらの情報整理と史料分析により、女性宣教師らの教育実践の継続性に関しては、成果の一部を西南女学院春季ミッションデー講演(2023年5月10日・11日)、国際教育史学会研究発表(2023年7月24日)や、「米国南メソジスト監督教会女性宣教師アン・ピービーの教育活動の継続性に関する考察―戦時下日系人収容所における一実態の分析を中心にー」(『人間環境学会紀要』第39号)、『近代日本のキリスト教保育における先駆的福祉活動に関する研究―プロテスタント系及びカトリック系の実態を中心に』(『キリスト教と文化』第22号)等で公表した。 研究経費は、主に海外調査費用等で支出した。なお、日本人保育者養成・留学については今後の課題とし、科研費申請へと発展させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度では、海外調査をほぼ計画通りに進展させることができた。ただし、海外市場の状況により(円安状況のため)、科研費による渡航はロサンゼルス調査のみとなった。イリノイ州調査と国内調査は個人費用等で行っている。 米国ロサンゼルス研究調査(JANM・UCLA・USCでの史料調査)、米国イリノイ州研究調査(NLU・シカゴ大学での史料調査)、及び国内調査(関西学院、広島女学院、北陸学院での史料調査)により、女性宣教師の戦前・戦後の教育活動の特性と継続性及び女性宣教師に学んだ日本人保育者の教育実践の継承に関する一考察に発展したが、成果の公表については一部に留まったため、本研究期間を1年間延長し、残りの一部を2024年度に行うこととした。なお、本研究からの発展として課題となった保育者の留学斡旋に関する点は、次年度以降も継続し、科学研究費申請を行うこととした。 以上、2023年度は研究調査及び史料分析からの考察を達成し、公表については一部を次年度発表とすることとしたものの、本研究成果として、ほぼ進展させることができたと言える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度では、研究成果の公表を行い、本研究のまとめと今後の新たなる課題の進展を検討する。成果発表は、日本キリスト教教育学会第36回大会研究発表(2024年6月1日)、ウェスレー更新伝道会全国大会主題講演(2024年8月26日)で行うこととし、女性宣教師の戦前・戦後の教育活動の特性と継続性及び女性宣教師に学んだ日本人保育者の教育実践の継承について、日本における教育的意義と、世界の教育史から見る歴史的意義についての考察へと発展させる。
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