研究課題/領域番号 |
21K02273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
矢野 裕俊 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (80182393)
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研究分担者 |
大倉 健太郎 武庫川女子大学, 学校教育センター, 教授 (10266257)
楠山 研 武庫川女子大学, 教育学部, 准教授 (20452328)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 現代的教育課題 / カリキュラム政策 / 教育改革 / 国際比較 / OECD / コンピテンシー / エージェンシー / SDGs / ベトナム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主として文献による情報収集調査、外国訪問調査(訪問が不可能な場合は外国の研究者に対するインタビュー調査)、国内の研究者間で行う研究会活動を織り交ぜながら、日本と諸外国のカリキュラム政策の特徴を、分析枠組の設定を踏まえて、多面的な視点から研究することにより、カリキュラム政策の類型化を試み、日本のカリキュラム政策のあり方を検討するための基礎資料を得ようとするものである。なお、類型化に当たっては、エスピン=アンデルセンらによる比較福祉国家研究の成果を参考にする。
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研究実績の概要 |
最終年度(令和5年度)は、ベトナム、韓国、オランダ、スウェーデンの教育を専門とする研究者を招き、公開セミナーの形で計4回の研究会を開催した。それにより、それぞれの国での現代的教育課題への対応状況についてカリキュラム政策に注目して新しい知見を得た。また、実地調査として鹿児島県龍郷町の小学校、台湾(台東・対中)の小学校及び教育系大学を訪問し、現代的教育課題への対応を12カ年一貫教育のなかで行い、国・地方・各学校相互の関係の中で編成されるカリキュラムの状況について、校長等へのインタビューにより調査した。 研究会ならびに実地調査により分かったことの一つは、日本を含む各国では気候変動や移民の増大、ICTの発展といった国家社会が直面する課題に対して教育においても対応しようとしている点では共通していること、しかしその程度については国家間で一律ではないことである。また、オランダのように各学校の教育の自由を大きく認めてきた国においても、国家が設定するカリキュラム基準が以前よりはるかに大きな規制力を持つようになっているが、ベトナムを含めて国のカリキュラム基準を設定する一方で各学校の裁量を重視するという考え方が定着している。 諸外国では急速に変化する世界や社会に対応して教育内容が大きく変化している諸外国の状況と比べると、わが国では同様の問題意識を持ち、「各学校における教育課程編成」という原則は維持されているものの、教育内容を刷新するという面では教育改革の進展に立ち遅れ、それが適用される範囲も狭く、台湾のように各学校の独自性が教育課程の相当部分を占めるという状況からは程遠い。しかし、本研究ではそのことについての評価にまでは踏み込めなかった。 また、当初の研究計画でめざしていた各国のカリキュラム政策の類型化もやり残した課題として残っている。
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