研究課題/領域番号 |
21K02283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
小高 さほみ 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10451650)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 教師教育 / ユネスコスクール / 戦後教育 / 実践コミュニティ / 地球市民教育 / ユネスコ・スクール / ウェルビーイング / COVID-19 / ジェンダー / 専門職の学習共同体 / ユネスコ協同学校 / 授業研究 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症拡大による未曾有の不安定な社会において,あらためて持続続可能な社会の構築に向けて,地球市民の育成が求められている。本研究では,SDGs時代の教師教育の基礎研究として,地球市民教育の源流である第二次世界大戦後の初期のユネスコ・スクールに着目し,参加した教員たちが,国境を越えたネットワークを通して,何をどのように学び合い,授業研究を継続したのか,実践の一端を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は,教師教育の基礎研究として,地球市民教育の源流である第二次世界大戦後の初期のユネスコ・スクールに着目し,参加した教員たちが何をどのように学び合い,新たな教育を創造したのか,その実践の一端を明らかにすることを目的としている。 本研究が対象としている初期のユネスコ・スクールは、その枠組みが大きく変わり発展している。例えば、ユネスコ・スクールを立ち上がった当初は、「世界市民」教育を掲げていたものの、その後、アジアやアフリカ諸国の独立、東西冷戦などの緊迫した国際情勢の下、「国際理解と国際協力のための教育」などに変容している。一方、日本国内では、経済発展に伴い「国際理解教育」のとらえ方や何に重点を置くかなど、変化が起こっている。 また、資料収集と並行して、ユネスコ・スクールに参与していた教員らの実践を、どのようにとらえていくのかという課題を探究してきた。前述した通り、社会変動の下、ユネスコ・スクールの教育実践をとらえ直すために、近年の教師教育の動向を整理するとともに、理論枠組みの検討を行った。 2022年度には、ユネスコ・スクールと同様に戦後の民主化の教育改革のひとつとして誕生した家庭科教育の教育実践をケーススタディとして着目し、教科が社会変動や政策によって揺れ動く中で、教員らがどのように教科の理論化と実践を積み重ねていくかを明らかにした。その論考では、実践コミュニティ概念を手がかりに、高度経済成長期の諸政策によって中等家庭科教育が女子必修へと変化する中で、自主的な大学研究者と現職教員を中心とした研究会では、家庭科は生活を主体的に創造することを人間として学習する教科論を提起していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究では,戦後教育の中で、国連の初期のユネスコ・スクール事業の実験校に着目し,当時の教員の実践をとらえ直すことを通して、地球市民教育の時代の教職と自律的に学び続ける教員の学習する場の保障の在り方を検討する。 初年度から2022年度は、コロナ感染拡大により、予定していた資料収集のための現地調査を行うことができなかった。そのため、第二次世界大戦後の国内のユネスコに関する1次資料の収集と、地方に分散している実験校に関する資料を収集し、データ整理と分析を進めた。2023年度は、現地調査を実施し、新たに収集したデータも含めて分析を進めるとともに、これまでの調査結果の一部を学会で発表する予定であった。しかし、投稿論文1本と研究会報2本の発表にとどまっている。尚、これらの知見の一端を、県内の公民館における生涯学習の講習会の題材として活用した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、2023年度に発表した研究成果を手がかりにして、これまでに収集した初期のユネスコ・スクールの資料の分析を進め、教師教育研究の議論を深めるために、学会で発表し、投稿論文にまとめていく予定である。 また、その成果を地域の教育委員会の教員研修に取り入れて、自律的に学び続ける教員を育てる研修などを計画している。
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