研究課題/領域番号 |
21K02286
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
前田 崇 北里大学, 一般教育部, 准教授 (10507966)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 社会人基礎力 / 社会人 / 言説 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、2000年代中頃から現在に至る日本社会における、「若者問題」・「教育問題」の社会的構築と「社会人基礎力」の社会的構成、制度化、普及・影響のプロセスを明らかにし、批判的に考察することである。研究の方法に関しては、第一に、このプロセスを時系列に整理するために、ベストの社会問題の修正版「自然史モデル」を用いる。第二に、「社会問題」の構築主義(赤川2012,Best2017)、社会構築主義の立場にたつ言説分析 (Burr1995=1997)、フーコーの生権力論(加藤2014)、「能力」の社会構成説(古賀2010,耳塚2018)等の社会学の視角から一連のプロセスを批判的に考察する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は2000年代中頃から現在に至る日本社会における「若者問題」・「教育問題」と「社会人基礎力」の社会的構築、制度化、普及・影響のプロセスを明らかにし、批判的に考察することである。
2022年度は、2021年度から引き続き、「若者問題」・「教育問題」と「社会人基礎力」の社会的構築及び制度化の過程について、生権力論のパースペクティブから分析を行い、その研究成果を「『社会人基礎力』の社会的構築と生権力」(前田崇,2022,「『社会人基礎力』の社会的構築と生権力」『関東教育学会第70回大会発表要旨集録』関東教育学会第70回大会準備委員会)としてまとめ、2022年11月19日に明星大学で開催された関東教育学会第70回大会にて報告した。
また、フーコーの著作や講義集成、近年のフーコー研究の成果に関わる新たな理論的文献を収集・整理し、考察を深めた。さらに収集した「社会人基礎力」に関するメディア報道の資料を概観したが、「社会人基礎力」に関するメディア報道の記事は「社会問題」のメディア報道とは言えないものもあった。こうしたことから、ジョエル・ベストの枠組みにおいて、当初は「社会人基礎力」の構築は「クレイム申し立て」を含むものと考えていたが、これは「クレイム申し立て」というよりもむしろ「政策立案」、「社会問題ワーク(政策の実施過程)」に位置付けるべきものではないかとこれまでの仮説を修正することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
進捗が当初の予定よりもやや遅れているのは主に以下の2つの理由による。 (1)新型コロナ禍の中、社会人基礎力の構築に関わる資料を収集するため、国立国会図書館や大学図書館などを利用しているが、入館者数に制限などがあり、当初の予定のように頻繁に図書館を利用して資料収集を円滑に行うことが困難であった。そのため史資料の閲覧・収集に普段よりも多くの時間がかかった。 (2)新自由主義的統治を分析するために新たな理論的文献を収集・整理・考察する必要が生じた。これらの理論は難解であるため関連する文献の読解・理解に時間がかかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度の学会発表での質問や意見を踏まえて分析と考察を進め、2023年度に専門学会での発表と論文の投稿を行う。専門の研究者に専門的知識の提供を受け、効率的に研究を進める。社会人基礎力を教育目標に設定している大学学部学科に探索的にインタビュー調査を行い、その後に量的調査を実施する。
|