研究課題/領域番号 |
21K02290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
高橋 朋子 近畿大学, グローバルエデュケーションセンター, 教授 (30635165)
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研究分担者 |
中谷 潤子 大阪産業大学, 国際学部, 教授 (20609614)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 移民二世代 / 進路形成 / キャリア形成 / 中国ルーツの子どもたち / 日本語教育 / 学齢を超過した第二世代の生徒 / 移民第二世代 / 教育達成 / 中国帰国者 / 外国ルーツの子どもたち |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、移民第二世代の教育達成やキャリア形成の過程を明らかにし、外国ルーツの子どもたちへの教育支援を再検討することが目的である。1990年代から始まったニューカマーと呼ばれる外国人の受け入れからすでに20年が経ち、当時の子どもたちは成人となっている。 移民第二世代、つまり学校や地域、社会での経験を継承し、次世代を育てる立場となっているのである。彼らはこれまでの経験をどのように振り返るのか、その経験をどのように意味づけているのか、そしてそれはどのように人生に影響を与えたのか、アンケート及びインタビューを利用した質的・量的の両面から彼らの教育達成、キャリア形成の過程について考察を試みる。
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研究実績の概要 |
研究活動は以下のとおり実施した。1つ目は、インタビュー調査である。これまでに行なってきた中国人から範囲を広げ、フィリピン人、ネパール人の第二世代の高校進学とキャリア形成に焦点を当てたインタビューを実施した。いずれもサポートを受けられなかった学校生活の経験から、自らが次世代の通訳やサポーターになる使命を自覚していることが明らかになった。一方、夜間中学などで中卒の資格を獲得し、高校進学した外国人生徒の多くが退学していることも明らかになり、日本社会における移民第二世代の支援は単発的で、その生徒の人生を包括的に捉える視点が抜け落ちていることもわかった。これは持続可能なサポートシステムの確立に向けた大きな課題と言える。 2つめとして、以上のデータや考察をもとにした、アメリカでの学会発表および、論文投稿と書籍への執筆が挙げられる。アメリカの学会では、Chaimanとして5名の研究者(うち1名は、本研究分担者の中谷氏)とともにパネルディスカッションをオーガナイズした。高橋のテーマは、Inheritance and Transformation of Culture and Language in Chinese Overseas COmmunities in Asia 、中谷氏のテーマは、Transforamtion of Inheritance of Chinese Indonesian Language and Culture である。高橋は、移民第二世の教育達成を分岐する要因についてこれまでのデータ分析をもとにした考察を、中谷はインドネシアにおける第二世代の文化と言語の継承についてインタビューをもとにした考察をそれぞれ行った。他のパネリストは、民族学校である中華学校の教師の変容と継承、エスニックコミュニティに存在する行事の中の文化継承について報告を行い、活発で意義のある討論を行うことができた。またアカデミックな場での発表以外にも、二世代の教育達成を考える指針として、小中学校、市教育委員会へのワークショップや研修会など啓発活動を活発に行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、より多くのインタビュー調査をし、データ収集を積極的に行う予定をしていた。しかし、コロナ禍であったため、対面によるインタビューや学校訪問などに制限があり、なかなか順調に進んだとは言い難い。中国帰国者の多くは、集団で公営団地に住んでおり、インタビュー場所に通っている学校を指定してくることが多かった。しかし、小中学校では外部からの立ち入りに制限を設けていたため、交渉やスケジュール調整など実施まで困難が多かった。 また、コロナ禍を受けて就業状況が不安定になり、インタビューどころではないという協力者もおり、想定外のキャンセルもあった。次年度はより丁寧で安心してインタビューできる状況を整えたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、大きく分けて以下の2つの研究活動を行う。 1つ目は、データ収集と考察である。上述した協力者も含め、安心してインタビューができる状況を整えたい。また、これまでは中国ルーツおよびフィリピンルーツの第二世代に焦点を当てていたが、他の国籍についても考慮していく予定である。 2つ目は、海外調査である。特に、移民第二世代、1.5世代が活躍するアメリカでインタビュー調査を実施する。移民を受け入れる背景や編入システムは異なるが、成功を分ける要因に共通性はあるのか、差異があるとすればそれを日本はどのように受け入れていくべきかについて考察を行う。それを学会や学会誌に発表する準備を行う。 総括に向けてデータ収集、整理、考察、発信をしていく予定である。
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